虹の橋を渡る・意味

「虹の橋を渡る」とは？その意味と背景

「虹の橋を渡る」という表現は、ペットが亡くなった時に使われる、温かみと慰めのある言葉です。この表現はペットロスに悩む多くの人々にとって希望を与えるもので、日本でも広く浸透しています。「虹の橋を渡る」とはどのような意味なのでしょうか？この記事では、「虹の橋を渡る」という言葉の意味や、その背景にある物語、そして日本での受け入れられ方とその意義について深掘りしてみましょう。

虹の橋の起源と物語

「虹の橋を渡る」という表現は、簡潔に言えば「ペットが亡くなる」という意味です。ただ、単に「亡くなる」というよりも、ペットが虹の橋のたもとで飼い主との再会を待っているという温かく希望に満ちた意味合いが込められています。

「虹の橋（Rainbow Bridge）」の概念は、特定の宗教や古代神話に由来するものではなく、20世紀後半のアメリカで広まった作者不詳の詩や物語がもとになっています。この物語によると、ペットが亡くなると「虹の橋のたもと」に行き、そこで体の痛みや病気から解放され、元気で若々しい姿に戻ります。そして、虹の橋のたもとで飼い主と再開するのを待ち続け、再会の日には一緒に虹の橋を渡り、永遠に幸せな時間を過ごすことができるとされています。

この物語は、英語圏で1980年代に広まりましたが、現在では世界中のペット愛好者の間で支持されています。インターネットの普及により、虹の橋の詩は多くの言語に翻訳され、悲しみの中にいる人々に少しでも癒しを提供する役割を果たしてきました。

当記事の最後に｢虹の橋｣全文を載せてあります。

日本での「虹の橋を渡る」の受容

日本において「虹の橋を渡る」という表現は、ペットロスに対する優しい表現として広まりました。特に、ペットを飼っている人々にとって、この言葉は悲しみを和らげる役割を果たします。ペットが亡くなっても、その魂が虹の橋のたもとで飼い主を待ち続けていると考えることで、「いつかまた会える」という希望が生まれます。この「再会への期待感」が、ペットロスの深い悲しみを軽減する一助となるのです。

「虹の橋」とペットロスにおける癒しの役割

「虹の橋を渡る」という表現は、ペットロスの経験をしている人々にとって心の支えとなります。ペットロスとは、ペットを失った時に生じる悲しみや喪失感を指しますが、多くの飼い主はペットを家族の一員として愛しており、その別れには大きな痛みが伴います。ペットの死後、虹の橋の物語を信じることで、「ペットが天国で幸せに暮らしている」というイメージが飼い主に安らぎを与えるのです。現在では、動物病院やペット霊園でも「虹の橋」という表現が用いられ、飼い主への慰めや共感を表現するためのシンボルとなっています。

ペットロスとそのケア

ペットロスの痛みは、時には人間の家族や友人を失った際の悲しみに匹敵するとも言われています。しかし、ペットロスは必ずしも社会的に広く理解されているわけではありません。そのため、多くの飼い主は孤独を感じることがあり、虹の橋の物語がそうした孤独感を和らげる役割を果たしているのです。ペットの死を受け入れ、思い出を大切にしながら前向きに生きるために、このような言葉が多くの人々の心に残るのは納得できることでしょう。

結論

「虹の橋を渡る」という表現は、ペットが亡くなってもその存在が飼い主の心の中に生き続けることを象徴しています。悲しい別れの中にも、いつか再会できるという希望を見出すための温かい言葉です。この考え方が、亡くなったペットへの感謝や愛情を再確認するきっかけとなり、悲しみを抱える飼い主に少しでも癒しをもたらすことを願っています。また、この表現が多くの飼い主にとっての支えとなり、彼らがペットと過ごした日々を愛おしく思い返す助けとなることを心から願います。

｢虹の橋を渡る｣を人間に使うのは間違いか

ペットたちが飼い主を待っているのはあくまでも虹の橋のたもとです。
人間である飼い主がやがて虹の橋のたもと来た日に一緒に人間も虹の橋を渡るので｢虹の橋を渡る｣という表現を人間に対して使うのも間違いとは言えません。

例えば、この詩に共に感動した愛し合う二人の内の片方や夫婦の一人が先に死にゆく際に｢虹の橋で待ってるから｣と愛する人に言うことも出来ることでしょうし、先だった愛する人が天国で待っていると思う代わりに虹の橋のたもとで待っていて、虹の橋を一緒に渡り、天国へ一緒に行くという希望を持つことも出来るでしょう。

虹の橋はファンタジーであり希望の詩ですのでそのように解釈してもいよいと言えます。

虹の橋・全文

作者不詳
翻訳、加筆　清水泰

天国へ向かう道の途中に「虹の橋」と呼ばれる場所があります。

この地上（せかい）にいるあなたに愛され、可愛がられてきたペットは、
飼い主のあなたと死に分かれた後、すぐには天国へは行かずに、
その「虹の橋」のたもとへと行くことになっています。

虹の橋のたもとでは緑の草地と丘が見渡す限り広がり、そこではかつて私たちに愛されていた動物達が一緒になって走り回り、仲良く遊び、楽しく暮らしています。
ここでは食べ物も、水も、何一つ不自由なく、太陽の光に充ち溢れ、動物たちは暖かさと心地よさの中で毎日を過ごします。

病に伏し、年老いた動物たちも、ここでは若さと健康を取り戻します。
傷を負った子や弱り衰えた子たちも元通りの、元気に充ちた姿を取り戻します。
そう、ちょうど、私たちの記憶の中にある「よき日々」のその子たちの姿を取り戻すのです。

ここではすべてが満たされています………だけど、そんな虹の橋のたもとでもその子たちにとってたったひとつだけ足りないものがあるのです。
あとに残してきて離れ離れになってしまった特別な誰か、そう、あなたがそこにはいないのです。

ある日のことです。 いつものように動物たちは毎日、幸せに走りまわり、
遊んでいます。
すると、そのうちの一匹がふと仲間たちと遊ぶことをやめ、遠くに目をやりました。
その日がやってきたのです。
目を輝かせ、その体は喜びで震え始めました。
走りだしました。仲間たちの群を離れ、緑の草原の上を、足が宙を切ってしまうような勢いで走りだしました。
はやく、速く、もっと速く……..草原の上をまるで飛ぶように。

その子が遥か彼方に見つけ出したもの、それは、そう、あなたの姿。
待ち焦がれていた再会の時、その時がやってきたのです。
あなたはその子を抱きしめます。
長い間あなたの人生から姿を消してしまっていた、だけどあなたの心から決して
消えることはなかったその子を抱きしめます。
もう二度と離れ離れになることはないその子を。
待っていた、虹の橋のたもとでずっと待っていてくれたのです、
あなたのことを、再びあなたがこうして抱きしめてくれる日を。

虹の橋のたもと-そこは人間に愛されていた動物たちが死んだ後、そのまま先に天国へ行ってしまわずに飼い主が来るまで待っていてくれる場所。

そしてあなたも今、一緒に「虹の橋」を渡っていくのです。