メジャーリーグベースボール(MLB)の球団と聞いて、多くの日本人はアメリカの都市を思い浮かべるでしょう。しかし、実はMLBにはカナダを本拠地とする唯一のチームが存在します。それが、トロント・ブルージェイズ(Toronto Blue Jays)です。この記事では、ブルージェイズの本拠地であるトロントとその特異性について詳しく紹介し、このチームの魅力をお伝えします。
トロントは、カナダのオンタリオ州にあるカナダ最大の都市であり、経済、文化、スポーツの中心地として知られています。この都市には多様な文化が共存しており、世界中から移住者が集まる国際的な街です。そのため、トロントは「世界で最も多文化的な都市の一つ」とも呼ばれています。
ブルージェイズが本拠地としているのは、トロントのダウンタウンに位置するロジャース・センター(Rogers Centre)という巨大なドーム型スタジアムです。このスタジアムはかつて「スカイドーム」と呼ばれており、1989年に完成しました。ロジャース・センターはMLB初の開閉式屋根を備えたスタジアムで、雨天でも快適に観戦できる環境が整っています。
MLBの30球団の中で、アメリカ以外に本拠地を置いているチームはトロント・ブルージェイズだけです。この点がブルージェイズを非常にユニークな存在にしています。
ブルージェイズは1977年に設立されました。当時のMLBはすでにアメリカ全土に広がっていましたが、カナダのファン層を拡大するため、新たにトロントにチームが誕生したのです。ブルージェイズ以前には、モントリオールに「モントリオール・エクスポズ」というチームもありましたが、2004年にワシントンD.C.へ移転してしまい、現在ではブルージェイズがカナダ唯一のMLBチームとなっています。
ブルージェイズは設立から15年後の1992年に初めてワールドシリーズに進出し、見事に優勝を果たしました。その翌年、1993年にも連覇を達成しており、これはカナダの野球史に残る快挙です。この2度の優勝は、現在もブルージェイズファンの誇りとなっています。
また、ブルージェイズには日本人選手が在籍したこともあります。例えば、青木宣親選手が2017年にブルージェイズでプレーしました。こうした日本人選手の活躍がきっかけで、日本国内でも少しずつブルージェイズの認知度が高まっています。
ロジャース・センターの観客席には、地元のトロント市民だけでなく、アメリカや他のカナダ各地から訪れるファンが集まります。ブルージェイズの試合は、試合そのものだけでなく、スタジアム周辺のイベントや美しいトロントの街並みも楽しむことができます。
さらに、トロントは観光地としても非常に魅力的な都市です。スタジアムから徒歩圏内には、カナダを象徴するCNタワーがそびえ立ち、その展望台からはトロントの街並みとオンタリオ湖の絶景を一望することができます。また、試合観戦後にはトロントの多彩なレストランでグルメを堪能するのもおすすめです。
トロント・ブルージェイズは、他のMLBチームと比べても「カナダらしさ」が色濃く反映されています。試合中にはカナダ国歌「O Canada」が演奏され、試合会場ではカナダの特産品や文化を取り入れた商品が販売されています。
また、ファンの応援スタイルもユニークです。トロント市民の暖かさが感じられる一方で、プレーオフの際にはスタジアムが熱狂的な雰囲気に包まれます。これらの特徴は、アメリカのチームにはないブルージェイズならではの魅力と言えるでしょう。
トロント・ブルージェイズは、カナダ唯一のMLBチームとして特別な存在感を持っています。本拠地のロジャース・センターはトロントという国際的な都市に位置し、多文化的な雰囲気の中で試合を楽しむことができます。また、アメリカではなくカナダに拠点を持つことで、MLB全体の中でも独自の立ち位置を確立しています。
もしMLB観戦を計画しているのであれば、ぜひブルージェイズの試合を観にトロントを訪れてみてはいかがでしょうか?その特別な雰囲気とカナダらしさを存分に感じることができるでしょう!