インスタ・10代利用制限・なぜ?
インスタグラムが10代の利用を制限した理由とは?
インスタグラムは、10代のユーザーを保護するために「ティーンアカウント」を導入しました。この新機能は、13歳から17歳の利用者を対象とし、以下の制限が自動的に適用されます。
- 非公開アカウント: デフォルトでアカウントが非公開となり、新しいフォロワーからのリクエストを都度承認する必要があります。
- メッセージの制限: 自身がフォローしている、または既につながっている相手からのメッセージのみ受信可能となります。
- 不適切なコンテンツの制限: 「不適切なコンテンツをコントロール」の設定で最も厳しいオプションが適用され、人々が戦う様子や美容整形を勧める内容などの表示が制限されます。
- やりとりの制限: 10代の利用者をタグ付けやメンションできるのは、彼らがフォローしているアカウントのみとなります。
- 利用時間のリマインダー: 1日あたりの利用時間が60分を超えると、アプリを閉じるよう通知が届きます。
- スリープモード: 午後10時から午前7時まではスリープモードが適用され、通知がミュートされ、DMには自動返信メッセージが送信されます。
これらの設定を変更する際、16歳未満の利用者は保護者の承認が必要です。保護者はペアレンタルコントロールを通じて、子どものメッセージ相手の確認や1日の利用時間の制限、特定の時間帯の利用制限などが可能となります。
このティーンアカウントは、米国、イギリス、カナダ、オーストラリアで2024年9月17日から60日以内に提供が開始され、日本では2025年1月から導入されました。
なぜ10代に対する利用制限が必要なのか?
- メンタルヘルスへの影響
インスタグラムは、美しい写真や動画が多数投稿される一方で、他者と自分を比較しやすい場でもあります。特に10代は、自己評価が形成される時期であり、他者の投稿が自己肯定感を低下させる原因となることがあります。研究では、ソーシャルメディアの過剰な利用がうつ病や不安症状を引き起こす可能性が示されています。
- 不適切なコンテンツへの接触
10代の利用者は、不適切なコンテンツ(暴力的な動画や有害な美容情報など)にさらされるリスクが高いです。また、悪意のあるアカウントや詐欺被害に遭う危険性も指摘されています。
- オンライン上の安全性確保
SNS上でのいじめや嫌がらせ(サイバーいじめ)が問題視されています。特に若年層は、これらの被害に巻き込まれやすく、深刻な影響を受けることがあります。
この取り組みの目的
インスタグラムのこのような制限は、10代の利用者がより安全にSNSを利用できる環境を整えることを目的としています。特に、心の健康やオンライン上の安全を守るために、プラットフォーム側が積極的に対策を講じる必要性が高まっています。
また、このような取り組みは、単に10代を制限するだけでなく、健全なSNSの使い方を学ぶ機会を提供する意義もあります。
保護者や学校ができること
インスタグラムの取り組みだけでなく、保護者や学校も積極的に関与することが重要です。以下は具体的な支援策です:
- SNSの安全な使い方を教える
プライバシー設定の重要性や、不適切なコンテンツへの対処法を子どもたちに教える。
- 利用時間を管理する
インスタグラムだけでなく、スマートフォンの使用時間全般を制限することで、子どもたちの健康を守る。
- オープンな対話を促す
子どもたちがSNS上での体験や困りごとを相談しやすい環境を作る。
まとめ
インスタグラムの10代利用制限は、若年層が安心してSNSを利用できる環境を整えるための重要な一歩です。メンタルヘルスやオンライン上の安全性を守るためには、プラットフォームの取り組みに加え、保護者や教育機関のサポートが不可欠です。
SNSは適切に利用すれば便利で楽しいツールですが、特に成長段階にある10代の利用には注意が必要です。健全な使い方を学びながら、より安全なデジタル環境を築いていきましょう