ローマ教皇(英語でPope)は、カトリック教会の最高指導者であり、バチカン市国の元首でもあります。カトリック教会の伝統において、教皇は使徒ペトロの後継者とされ、司祭・司教の頂点に立つ存在です。(ローマ法王と呼ばれることもあります。)
ローマ教皇は、カトリック信者にとって宗教的な最高権威であり、全世界のカトリック教会を統率する重要な役割を果たします。教皇の決定はカトリック教会の教義や方向性を決定づけ、社会的にも大きな影響を与えるため、その選出には慎重なプロセスが取られます。
現在、ローマ教皇はカトリック教会の枢機卿(カーディナル)の中から選ばれます。しかし、枢機卿になるには司祭、そして司教である必要があります。カトリック教会では、司祭職は男性のみが任命されるため、女性がローマ教皇になることは制度上不可能とされています。
このため、女性が教皇になるためには、まず司祭・司教の職に就けるよう教会の制度自体を根本的に変えなければなりません。しかし、現在の教皇フランシスコを含め、歴代の教皇はこの制度の変更には消極的です。
ローマ教皇に女性が就いたという伝説があります。それが**「女性教皇ヨハンナ(Pope Joan)」**の物語です。
この話は中世ヨーロッパで広まりましたが、現在では歴史的事実ではなく伝説と考えられています。しかし、中世のヨーロッパではこの伝説が広く信じられ、教皇の即位時に特定の儀式が加えられたという説もあります。
カトリック教会では、現在も女性の司祭叙任を認めていません。しかし、
また、近年のカトリック教会の改革の中で、女性がより重要な役職につく例が増えてきています。たとえば、2020年にはフランシスコ教皇が初めて女性をバチカンの「信徒・家庭・生命省」の次官に任命しました。これはカトリック教会の歴史上画期的な出来事とされています。
現在のカトリック教会の方針では、女性がローマ教皇になる可能性は非常に低いです。しかし、
などが影響すれば、将来的に女性が教皇になる可能性がゼロとは言い切れません。
また、過去のカトリック教会の歴史を振り返ると、一度は不可能と思われた制度が変わったこともあります。たとえば、1960年代の第2バチカン公会議では、ラテン語の使用を義務づけていたミサが各国の言語で行われるようになり、信徒の役割が大幅に拡大しました。こうした改革の流れが女性司祭や女性教皇の可能性を開く日が来るかもしれません。
カトリック教会の伝統は強固ですが、歴史を振り返ると少しずつ変化してきたことも事実です。女性教皇が誕生する日が来るかどうかは、今後の教会の方針と社会の変化次第と言えるでしょう。🙏