赤子面（あかごづら）とは？

February 22, 2025 江戸時代

赤子面とは？

NHK大河ドラマ『べらぼう』の一場面で、吉原の遊郭の主人たちが話の分からない地本問屋の鶴屋喜右衛門を「赤子面」（あかごづら）と罵る場面がありました。この言葉はあまり一般的ではないため、意味を調べた人も多いのではないでしょうか？本記事では「赤子面」の意味や使われ方について詳しく解説します。

「赤子面」の意味

「赤子面（あかごづら）」とは、文字通りに解釈すると「赤ん坊のような顔」という意味になります。しかし、ドラマの文脈から考えると、単なる外見のことではなく、｢赤子｣と同様の意味で使われ、「未熟」「世間知らず」「青二才」といった侮蔑的なニュアンスが含まれていると考えられます。

これは、「赤子＝幼児」であることから派生し、未熟な者を見下す表現として使われた可能性が高いでしょう。現代で言うところの「ガキが」「この青二才が」に近い意味合いと思われます。また、単に経験が浅いという意味だけではなく、「何もわかっていないくせに生意気な態度をとる」ことに対する軽蔑の意味も含まれる可能性があります。

鶴屋喜右衛門を演じた俳優風間俊介さんの外見がお若いことから脚本家の森下桂子さんが他の言葉（例えば、べらぼうなど）ではなく｢赤子面｣という言葉を選んだのかもしれませんね。

「赤子面」と似た表現

江戸時代やそれ以前の時代には、未熟な者を罵る表現として以下のような言葉が使われていました。

青二才：若くて経験が浅い者を指す言葉。語源は「青い＝未熟」から。
乳臭い：まだ母乳の匂いがするほど幼い、という意味。
尻が青い：お尻の青みが残るほど若い（未熟である）ことを示す。
半人前：一人前には達していないという意味。
鼻たれ小僧：幼さや未熟さを表す言葉で、特に小さな子供を揶揄する際に使われることが多い。
坊や：大人の世界を知らない若造を指す表現。

「赤子面」もこれらと同じような用法で使われている可能性があります。

大河ドラマ『べらぼう』の文脈

『べらぼう』の中では、吉原の遊郭の主人たちが、ソリの合わない地本兎（じもと）に対して「赤子面」と罵っていました。この場面から推察すると、彼らは相手を**「未熟で何もわかっていないくせに生意気なことを言う者」**と見なしていたのでしょう。

江戸時代の遊郭は、厳しいしきたりや商習慣がある世界であり、未熟者が軽く扱われるのは当然のこと。そのため「赤子面」という言葉も、そうした上下関係の中で使われた侮蔑語の一つだったと考えられます。特に、遊郭の世界では経験や実力がものを言うため、半端な知識で口を出す者は嫌われやすく、そのような人物に対して「赤子面」といった表現が使われたのかもしれません。

現代では使われる？

「赤子面」という言葉は、現在ではほとんど使われていません。江戸時代の言葉の一つとして、時代劇や歴史作品の中で見かけることはあっても、日常会話ではまず耳にすることがないでしょう。

ただし、意味としては「青二才」「ガキが」などの表現と近いため、時代劇などで「赤子面」という言葉が登場した際には、**「未熟な者をバカにする言葉」**と理解するとよいでしょう。また、古典文学や落語の中に登場する可能性もあり、江戸時代の風俗や言葉遣いを学ぶ上で興味深い表現の一つです。

「赤子面」が現代の言葉に置き換えられる場合

もし現代の言葉に言い換えるとしたら、以下のような表現が考えられます。

「ガキが」
「未熟者」
「半人前」
「世間知らず」
「坊や」
「生意気な若造」

これらの表現はすべて「赤子面」と同じように未熟さを指摘する言葉ですが、使用する場面やニュアンスによって微妙に異なります。特に、「赤子面」は江戸時代の雰囲気を強く持つため、時代劇や小説の中でのみ見かける特殊な表現と言えるでしょう。

まとめ

「赤子面」＝未熟・世間知らずな者を指す侮蔑語と考えられる。
江戸時代の遊郭の世界では、未熟な者を見下す言葉が多く存在。
「青二才」「半人前」「尻が青い」などの言葉と類似している。
現代ではほぼ使われていないが、時代劇や古典文学で見かけることがある。

『べらぼう』のような時代劇には、普段聞きなれない古い言葉が登場することが多く、それを調べることで江戸時代の文化や価値観をより深く知ることができます。「赤子面」もその一つとして、当時の人々の感覚を感じられる興味深い表現ですね！また、江戸時代の言葉遣いを学ぶことで、歴史ドラマや文学作品をより楽しむことができるでしょう。