カーニー氏(カナダ新首相)・経歴
マーク・カーニー・カナダ新首相の経歴を解説
はじめに
カナダの新規与党党首であり、新首相となるマーク・カーニー氏は、金融政策と経済危機管理の分野で卓越した実績を持つ経済学者・政治家です。カナダ銀行およびイングランド銀行で総裁を務めた後、2025年にカナダの首相に就任しました。経済危機への対応力と気候変動問題への関心の高さで知られ、国内外で注目を集めています。マーク・カーニー氏は日本での勤務経験もあります。
本記事では、カナダ新首相カーニー氏の経歴を時系列で詳しく解説します。
1965年
- 3月16日、マーク・カーニー、カナダ・ノースウエスト準州フォートスミスに生まれる。
- 父親は教育者、母親は教師であり、学問を重視する家庭で育つ。
1983年
- ハーバード大学に入学し、経済学を専攻。
- 在学中に国際経済や金融市場の仕組みに興味を持つ。
1988年
- ハーバード大学で経済学の学士号を取得し、優秀な成績で卒業。
- 大学卒業後、オックスフォード大学のナフィールド・カレッジに進学。
1993年
- オックスフォード大学で経済学の博士号(DPhil)を取得。
- 研究テーマは国際金融政策と経済危機管理。
1993年〜2003年
- ゴールドマン・サックスに入社し、ロンドン、東京、ニューヨークなどの拠点で勤務。
- 途上国の金融市場、債券取引、リスク管理に関する業務に従事。
- 1998年のアジア通貨危機や2001年のITバブル崩壊など、世界経済の変動を間近で経験。
2003年
- カナダ銀行(Bank of Canada)に入行し、副総裁に就任。
- カナダの金融政策に深く関与し、中央銀行の運営経験を積む。
2008年
- 43歳でカナダ銀行総裁に就任。
- 2008年の世界金融危機の際、迅速な対応を行いカナダ経済の安定に貢献。
- 主要国の中でカナダは比較的軽微な影響で金融危機を乗り越えたと評価される。
- 政策金利を迅速に引き下げ、流動性の確保を図るなどの対策を実施。
2013年
- イングランド銀行(Bank of England)総裁に就任。
- カナダ人として初めて、イングランド銀行の総裁を務める。
- イギリスの金融政策を主導し、EU離脱(Brexit)問題にも直面。
- インフレ対策と経済成長の両立を図る金融政策を推進。
2020年
- イングランド銀行総裁を退任。
- 国際連合の気候変動担当特使に任命され、気候変動対策にも関与。
- 気候関連の金融リスク管理の必要性を国際社会に訴える。
2021年
- カナダ自由党の経済顧問を務める。
- 経済政策の助言を行い、金融改革や環境政策に関与。
2023年
- 政界進出の可能性について言及し始める。
- カナダの経済政策や気候変動対策に関する講演を多く行う。
2025年3月
- カナダ自由党の党首選で圧勝し、カナダの次期首相に選出。
- 元財務相のクリスティア・フリーランド氏らを破り、85.9%の得票率で勝利。
- カナダ経済の立て直しや米国との貿易戦争への対応が課題とされる。
- 史上2人目となる「議席を持たない首相」として就任。
- 環境政策や金融政策の専門知識を活かした改革を公約に掲げる。
マーク・カーニー氏の学歴
マーク・カーニー氏の学歴は以下の通りです。
- ハーバード大学(Harvard University)
- 学位: 学士号(経済学)
- 卒業年: 1988年
- 特徴: 優秀な成績で卒業し、在学中に国際経済や金融市場に興味を持つ。
- オックスフォード大学(University of Oxford)
- カレッジ: ナフィールド・カレッジ(Nuffield College)
- 学位: 博士号(DPhil, 経済学)
- 卒業年: 1993年
- 研究分野: 国際金融政策と経済危機管理
カーニー氏は、北米とヨーロッパの名門大学で学び、特に経済学の分野で深い知識を得ました。ハーバード大学では基礎的な経済学を学び、その後オックスフォード大学でさらに高度な研究を行いました。この学歴が、彼の中央銀行総裁や首相としてのキャリアの基盤となっています。
マーク・カーニー氏の経歴に関するエピソード

マーク・カーニー首相に関する興味深いエピソードやトリビアをいくつか紹介します。
1. アイスホッケー好きのカナダ人らしい一面
- カナダ出身のカーニー氏は、アイスホッケーが大好きなことで知られています。学生時代にはゴールキーパーを務めていたこともあり、現在でもホッケーの試合を観戦するのが趣味の一つです。彼の「冷静沈着な判断力」は、ゴールキーパーとして培われたものかもしれません。
2. カナダ人初のイングランド銀行総裁
- イングランド銀行の総裁に就任した際、カナダ人がこの役職を務めるのは史上初の出来事でした。イギリス国内では「なぜ外国人が?」と疑問視する声もあったものの、彼の実力が認められ、最終的には高い評価を受けることになりました。
3. ボンド映画に登場しそうな経歴
- 「ゴールドマン・サックスで国際金融に関わり、中央銀行総裁を経て政治家に転身」という経歴は、まるでスパイ映画のキャラクターのようです。実際、彼の洗練された話し方やスマートな見た目が「ジェームズ・ボンドに似ている」と言われたこともあります。
4. ゴールドマン・サックス時代に日本で勤務
- カーニー氏は、ゴールドマン・サックス時代に東京オフィスで働いていたことがあります。そのため、ある程度の日本文化に触れており、日本の経済政策についても深い理解を持っています。
5. 気候変動問題への強い関心
- 金融政策の専門家として知られるカーニー氏ですが、実は気候変動問題にも強い関心を持っています。国際連合の気候変動担当特使として活動し、「気候リスクを金融市場でどう管理するか?」というテーマで積極的に発言しています。
6. 「危機の時にこそ頼られる男」
- 彼はカナダ銀行総裁時代に2008年の世界金融危機、イングランド銀行総裁時代にイギリスのEU離脱(Brexit)の対応を指揮しました。そのため、「経済の危機管理人」とも呼ばれています。そして今、カナダの首相として新たな危機(米国との貿易戦争)に立ち向かうことになっています。
7. 「議席なし」での首相就任
- カーニー氏は2025年のカナダ自由党党首選で圧勝しましたが、彼は現時点で国会議員ではありません。カナダ史上、議席を持たずに首相に就任したのは彼で2人目という珍しいケースです(通常は議員であることが前提)。
カーニー氏は、金融の世界から政治へと転身し、その手腕を発揮し続けています。彼のリーダーシップが今後どのような影響を与えるのか、ますます注目されそうですね!
まとめ
マーク・カーニー氏は、世界的な金融危機を乗り越えた手腕を持つ経済のプロフェッショナルであり、環境問題にも関心が深いリーダーです。彼の金融政策と国際的な視野は、カナダ経済の安定と成長に貢献すると期待されています。首相としての任期の中で、どのような政策を実行し、カナダの未来にどのような影響を与えるのか、多くの人々が注目しています。