アメリカと中国は、世界最大級の経済大国同士。時には政治的対立もありますが、経済のつながりは非常に強く、お互いに多くの物資やサービスを輸出入しています。今回は、「中国がアメリカから輸入している品目」について、TOP10の形で詳しく紹介していきます。国際貿易の現場で実際に動いている“もの”を知ることは、経済ニュースや世界情勢を理解するうえでもとても役立ちます。
中国は「世界の工場」とも呼ばれるほど製造業が盛んですが、すべての原材料や製品を自国でまかなえるわけではありません。以下のような理由から、中国はアメリカからさまざまなモノやサービスを輸入しています。
また、中国国内では富裕層の増加とともに、より高品質な製品やサービスへの需要が高まっており、それもアメリカからの輸入を後押ししています。
ここでは、中国がアメリカから輸入している代表的な品目をランキング形式で10個紹介します。
中国の家畜飼料・食品生産に不可欠。特にアメリカ産の遺伝子組み換え大豆は収量が安定しており、長年にわたり大量に輸入されています。
中国の航空会社が多く採用するボーイング社製の旅客機など。国内外の旅行需要増加に伴い、高性能な航空機の需要も急増中。
中国は世界最大級のエネルギー消費国。アメリカからのLNG(液化天然ガス)やシェールオイルの輸入が増えています。
ハイテク産業を支える基盤。スマホ、AI、クラウドコンピューティングに使われるアメリカ製の高性能チップは、今も中国にとって欠かせません。
食料安保の観点から、アメリカ産穀物の多角的な調達を強化。畜産業の飼料や食品加工の原料として広く使われています。
ワクチン、抗がん剤、CTスキャンなどの高度医療機器など、アメリカの最先端医療技術に依存する分野も多く存在します。
中国の製造業において、アメリカ製の高性能な機械や計測機器は今なお重要。工場の自動化や効率化にも直結しています。
牛乳や粉ミルク、チーズなど。健康志向や西洋食文化の浸透により、乳製品の需要が増え、アメリカからの輸入も伸びています。
カリフォルニア産アーモンドやチェリー、リンゴなどが人気。ギフトや健康食品として中国国内でのニーズが高まっています。
「輸入」というと意外かもしれませんが、アメリカの大学への留学やオンライン講義の受講なども中国からの“サービス輸入”に含まれます。特に富裕層やエリート層の間で根強い人気です。
近年、米中間の貿易摩擦や制裁の影響で、輸入品目や輸入量には大きな変動があります。2018年以降の「関税合戦」では、一部の品目で輸入が減少したり、代替先(ブラジルや豪州など)を模索する動きも活発化しました。
しかし、大豆や半導体、医薬品のように、アメリカ以外では調達が難しい、もしくはコスト・品質で代替がきかない製品も多く、米中関係が悪化しても完全に輸入を止めることは難しいのが実情です。
完全な依存状態とは言えないものの、中国の経済や生活にとって、アメリカからの輸入は非常に重要です。
これらの分野では、アメリカからの供給に少なからず依存していることがわかります。
経済ニュースや国際関係を読み解くには、「何が輸入されているのか」を知ることが大切です。今回紹介したTOP10を理解しておくことで、ニュースやSNSでの話題に対する理解もより深まるはずです。