2026年3月、第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が世界各地で開催されます。MLBを代表するスター選手たちが集結し、国の威信を懸けた熱い戦いが繰り広げられるこの大会で、アメリカ代表(Team USA)は「史上最強」とも呼ばれるメンバーを揃えると予想されています。
2023年大会では日本に惜しくも決勝で敗れましたが、今大会はその雪辱を果たすべく、選手選考・戦力強化が着々と進行中です。本記事では、最新の英語圏メディアの予想をもとに、アメリカ代表のスタメン、控え、投手陣、戦術的視点などを網羅的に解説します。
英語スポーツメディア(World Baseball Network、CBS Sportsなど)が予想するスターティングメンバーは以下のとおりです。
打順 | ポジション | 選手名(所属球団) | 特徴 |
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1番 | 遊撃手(SS) | ボビー・ウィット Jr.(ロイヤルズ) | 走攻守すべてに秀でる次世代スター |
2番 | 二塁手(2B) | ムーキー・ベッツ(ドジャース) | 複数ポジション対応の万能型リーダー |
3番 | 右翼手(RF) | アーロン・ジャッジ(ヤンキース) | 長打力・守備力・カリスマ性すべてあり |
4番 | 一塁手(1B) | ブライス・ハーパー(フィリーズ) | クラッチ力抜群、カリスマ性あり |
5番 | 中堅手(CF) | マイク・トラウト(エンゼルス) | 野球界の象徴的存在、実力と経験を兼備 |
6番 | 指名打者(DH) | カイル・シュワーバー(フィリーズ) | ホームラン量産体質、試合の流れを変える力あり |
7番 | 左翼手(LF) | カイル・タッカー(アストロズ) | 両翼での守備・中距離打者として定評あり |
8番 | 捕手(C) | ウィル・スミス(ドジャース) | 打てる捕手として信頼厚くリード面も評価高 |
9番 | 三塁手(3B) | ガナー・ヘンダーソン(オリオールズ) | MVP候補級の若手三塁手、攻守にインパクトあり |
このスタメンの「恐ろしさ」は、各選手が所属球団で中心選手であり、MLBオールスター常連級であることです。打順のどこからでも得点が可能な厚みがあり、先制、中押し、ダメ押しの展開が想定されます。
WBCでのアメリカの強みは「控え選手の層の厚さ」にもあります。スタメンと入れ替えても遜色ない選手が多数控えています。
アドリー・ラッチマン(オリオールズ):次世代を担う正捕手候補、選球眼・肩・打力が高水準
JT・リアルミュート(フィリーズ):経験豊富、リード能力にも優れる
ノーラン・アレナド(カージナルス):ゴールドグラブ常連、三塁守備に関しては現役最高レベル
マット・チャップマン(ブルージェイズ):三塁・一塁守備が安定、長打も期待できる
ジャクソン・メリル(パドレス):内野全ポジションを守れる若手万能型
ディラン・クルーズ(ナショナルズ):高打率とスピードを備える注目の若手
ロマン・アンソニー(レッドソックス):パワーと柔軟性を兼ね備えた次世代の核
WBCは短期決戦のため、通常のMLBローテより**“短期集中型”の先発起用**が鍵になります。
投手名 | 所属球団 | 特徴 |
---|---|---|
ポール・スキーネス | パイレーツ | 平均100マイル超えの剛腕、MLB最注目若手先発 |
コービン・バーンズ | オリオールズ | 制球力抜群の右腕、経験と安定感あり |
ザック・ウィーラー | フィリーズ | ポストシーズンでの強さが際立つ大舞台向き |
タリク・スクバル | タイガース | 奪三振能力が高く、左腕エース候補として期待 |
クリス・セール | ブレーブス | 国際大会経験豊富なベテラン、起用法は限定的に |
スキーネスのような若手に、バーンズやウィーラーといった経験豊富なエースを組み合わせることで、試合展開に柔軟に対応可能です。
投手名 | 所属球団 | 備考 |
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ジョシュ・ヘイダー | パドレス | WBCでも安定した抑え役が期待される |
ライアン・ヘルズリー | カージナルス | 2024年セーブ王、右の絶対的守護神候補 |
メイソン・ミラー | アスレチックス | ストレートの平均球速100マイル超え、今季急成長 |
デビン・ウィリアムズ | ブルワーズ | 代名詞「エアベンダー」で空振りを量産 |
ジェイソン・フォーリー | タイガース | 奪三振率・与四球率ともに優秀な万能型 |
このリリーフ陣は、8回以降の盤石感が他国を圧倒。短期戦での勝負強さが期待されます。
日程 | ラウンド | 開催地 |
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3月5日~10日 | グループステージ | ヒューストン、東京、マイアミ、サンフアン |
3月13日~14日 | 準々決勝 | マイアミ、東京 |
3月16日~17日 | 準決勝・決勝 | マイアミ(ローンデポ・パーク) |
アメリカ代表は**プールB(ヒューストン開催)**で登場し、メキシコ・イタリア・イギリス・ブラジルと対戦予定。初戦を確実に勝つことが、優勝への第一歩となります。
柔軟なポジション配置:ベッツ、ハーパーは複数ポジション対応可能
右打者中心の構成:左打者とのバランスが課題になる可能性あり
DH活用:シュワーバー以外にもトラウト、ハーパーの起用可能性あり
怪我やMLB球団の出場許可
若手の抜擢タイミング(スキーネス、クルーズら)
国際試合での経験不足をどう埋めるか
2026年WBCに向け、アメリカ代表は過去に例を見ない戦力を構築中です。打線・先発・ブルペン・控えに至るまで穴がなく、世界中の野球ファンが「アメリカこそ優勝候補筆頭」とみなしています。
しかし、最終ロースター発表までにはまだ時間があり、球団の意向や怪我などで変更の可能性もあるため、今後の動向に注目が必要です。真の“ベストメンバー”が揃えば、アメリカの優勝は極めて現実的な目標と言えるでしょう。
第1回大会(2006年)ではアメリカ代表は優勝候補とされていましたが、なんとベスト4にも進めず敗退。メキシコに敗れ、決勝ラウンド進出を逃すという波乱が起きました。
2006年・2009年・2013年と優勝を逃し続けたアメリカですが、第4回大会(2017年)でついに初優勝。決勝ではプエルトリコに8-0の快勝。優勝メンバーにはマーカス・ストローマンやアダム・ジョーンズがいました。
初期のWBCでは、MLBの一流選手の参加率が低く、アメリカ代表は「ガチ感が薄い」と言われていました。ところが、近年はマイク・トラウトやムーキー・ベッツ、ノーラン・アレナドらトップ選手が続々参加し、本気度がアップ⤴️
アメリカ代表選手の中には親の国籍やルーツを持つ選手も多く、ラテン系、アジア系、アフリカ系の選手が多数活躍しています。アメリカならではの多様性がWBCでも現れています。
WBCでは**MLB公式球とは異なる球(ローリングス社製WBC公式球)**が使われるため、アメリカ代表の一部投手が「握りにくい」「滑る」とコメントすることも。日本や韓国の投手は国際球に慣れているため、これは地味に不利だったりします。
アメリカ代表の監督は大会ごとに違い、毎回異なる監督が指揮をしたのも特徴のひとつ。
WBCではアメリカ代表の試合は全世界の視聴率が上がると言われており、特に日本・韓国・プエルトリコ・ドミニカ共和国との対戦は国際的なビッグイベントに。2023年の日米決戦(決勝)は、歴史に残る名勝負として語り継がれています。
実はWBCでの日本vsアメリカの対戦成績は日本の方が上。例えば2023年の決勝や2009年の準決勝でも日本が勝利しています。アメリカにとって「越えるべき壁」は日本とも言えます。