2024年春、米ファンド「ダルトン・インベストメンツ」による株主提案をきっかけに、再び注目を浴びている人物がいます。SBIホールディングスの代表取締役会長兼社長・北尾吉孝氏(きたお・よしたか)です。
実業界で数十年にわたって日本の金融界をリードし、“ネット金融のパイオニア”として知られる北尾吉孝さんは、なぜこれほどの影響力を持ち続けているのでしょうか?
本記事では、北尾氏の生い立ちから学歴、野村證券・ソフトバンク時代、そしてSBI創設以降の動きまでを、時系列で徹底的に解説します。
氏名:北尾 吉孝(きたお よしたか)
生年:1951年
出身地:兵庫県神戸市(実家は大阪・船場の商家)
役職:SBIホールディングス 代表取締役会長兼社長(2025年現在)
別名:経済界の“思想家”|“金融界の哲人”
兵庫県で育つ
大阪・船場の商家に生まれ、ビジネスと商いの世界を幼少のから身近に感じながら育つ。
1974年 慶應義塾大学経済学部 卒業
当時から優れた論理的思考力を持ち、国内外の経済動向に強い関心を寄せていた。
1976年〜1978年 英ケンブリッジ大学経済学部 留学・卒業
在職中に英語・国際経済を本格的に学び、国際的な金融感覚を磨いた。
イギリスでの経験が、後のグローバル経営に大きな影響を与えた。
慶應卒業後すぐに野村證券へ入社。通常は営業から始まる新入社員の中で、総合企画室に抜擢されるという異例のスタートを切る。
日本経済の再成長期における資本市場の構造改革を担当
海外案件・国際金融にも携わり、実力を高く評価される
野村證券の社費で留学。国際経済・金融理論を専門的に学び、理論と実務の融合を実現。帰国後はロンドンを拠点に欧州案件に関わる。
帰国後、国内外の大型金融案件を主導。
組織内では将来の幹部候補と目される一方で、「証券業界の枠に収まらない」思想を持ち始める。
孫正義氏からの熱烈なオファーを受け、当時成長著しいソフトバンクに転職。インターネット黎明期において、投資部門の責任者となる。
米Yahoo!への出資、E*TRADE証券の導入など多くの投資案件を推進
ソフトバンクグループの“財務ブレーン”として、IT×金融の構想を練る
ソフトバンクから金融部門を分社化し、ソフトバンク・インベストメント株式会社を設立。社長兼CEOに就任。
その後SBIホールディングスへ社名変更(2005年)
ネット証券・ネット銀行・保険・暗号資産まで、多角化を進める
SBI証券
住信SBIネット銀行
SBI損害保険
SBIレミット(国際送金)
SBI VCトレード(暗号資産取引所)
SBIインシュアランスグループ など
ライブドア(堀江貴文氏)がニッポン放送を買収し、フジテレビ支配を狙った事件で、SBIが資本支援を表明。
**友好的買収者(ホワイトナイト)**として介入し、フジテレビ陣営を支援したことで話題に。
この一件で、北尾氏は「資本の論理だけでなく、企業文化や理念も守る」投資家として注目される。
2010年代以降は地方銀行再編に本格的に乗り出し、「第4のメガバンク構想」を提唱。
ゆうちょ銀行・地銀への出資
フィンテック企業への戦略的投資
海外進出(アジア圏中心)
近年ではESG投資やスタートアップ育成にも積極的に関与。
2024年4月、米ダルトン・インベストメンツがフジ・メディア・ホールディングスに12人の社外取締役選任を要求。
候補筆頭に北尾氏の名が挙がり、記者会見を開催
2005年に「救った」フジテレビに対し、今度は経営改革の側から切り込む構図が注目を集める
清水賢治社長について「昔のカラーが薄く、哲学を持つ人物」と評価
北尾氏は、仏教思想や老荘思想にも深く影響を受けており、ビジネスと思想を融合させた発信でも知られています。
🧾 著書多数(例:『論語と算盤と私』『幸福なる経済自由人のすすめ』など)
🕯️ 宗教法人を立ち上げた経験もあり、精神的支柱としての役割も重視
北尾吉孝氏は、単なる金融マンでも経営者でもなく、“日本型経済思想家”として新たな領域を切り開いた人物です。
✔️ 投資家としての卓越した分析力
✔️ 哲学者としての深い思想
✔️ 経営者としてのスピードと戦略
✔️ 政財界・宗教界にもパイプを持つ稀有な存在
これからフジ・メディアHDや金融業界にどのようなインパクトを与えるのか、今後の動向から目が離せません。