2026年3月に開催が予定されている第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて、侍ジャパン日本代表のメンバー予想をまとめました。前回大会(2023年WBC)を制した侍ジャパンは平均年齢27.3歳と比較的若いチームでした。そのため、多くの主力選手が引き続き代表の中心となる見通しですが、新たに加わりそうな戦力や若手の台頭にも注目が集まります。ここでは予想スタメンと打順、投手陣の構成、前回不参加の注目選手、若手有望株の台頭、そして大谷翔平選手の出場見通しの5つのポイントに焦点を当てて解説します。
まず、現時点で考えられる2026年WBC侍ジャパンのスタメンと打順を予想します。前回大会からの主力に加え、さらなる成長を遂げた選手や復帰組を織り交ぜたオーダーになるでしょう。予想されるスタメン打順は次の通りです:
このオーダーでは、1番には日系人メジャーリーガーのラーズ・ヌートバーが入ります。ヌートバーは2023年大会で不動のリードオフマンを務め、優れた選球眼から高い出塁率を記録しました。その経験から今回もトップバッター適任といえるでしょう。
2番打者には右の強打者である鈴木誠也を配置しました。左打者が多い侍ジャパン打線において、鈴木の存在は貴重であり、上位打線のバランスを取る役割が期待されます。
クリーンアップには前回大会と同様に大谷翔平・村上宗隆・吉田正尚という左の長距離砲3人を並べました。
3番DHの大谷は投打二刀流のスーパースターであり、言わずと知れたチームの中心です。
4番にはヤクルトの主砲村上宗隆が座ると予想します。村上は前回大会こそ不調に苦しみましたが、劇的なサヨナラ打も放ち存在感を示しました。まだ若くさらなる成長が見込まれる村上は、「次回大会では全試合4番で出場する」という強い意志を燃やしているとも報じられています。
5番の吉田正尚(レッドソックス)は前回大会ベストナインに選出された巧打者で、勝負強さと長打力を兼ね備えています。
下位打線も侮れません。
6番牧秀悟(DeNA)は長打力とミート力を併せ持つ若きスラッガー。
7番岡本和真(巨人)は一発長打が魅力の右の大砲です。
この6・7番コンビはどちらも主軸を張れる実力者であり、相手にとって打線の切れ目にならない重量打線を形成します。
8番ショートには長岡秀樹(ヤクルト)を予想しました。長岡は高卒3年目にゴールデングラブ賞を獲得するほど守備力が高く、打撃にも磨きがかかってきた次世代の遊撃手です。守備の要として期待され、日本代表の正遊撃手の座を狙います。
9番キャッチャーは坂倉将吾(広島)が有力です。坂倉は打率3割を期待できる打てる捕手であり、近年は捕手に専念してリード面も成長しています。左の坂倉が9番に入ることで、1番のヌートバーへと繋がる打線の循環も良くなるでしょう。
控えには、前回大会2番打者として活躍した巧打者近藤健介(ソフトバンク)や、俊足代走のスペシャリスト周東佑京(ソフトバンク)といった選手たちも控え、一芸に秀でた選手起用の幅も広がりそうです。総じて、2026年大会でも前回優勝メンバーを中心に据えつつ、新戦力を織り交ぜた強力な打線が組まれる見込みです。
投手陣は先発ローテーションから中継ぎ・抑えまで豊富な才能が揃うと予想されます。前回大会で躍動したエース級はもちろん、新たに加わる実力者もいます。ここでは先発投手と**リリーフ投手(中継ぎ・抑え)**に分けて有力候補を紹介します。
先発陣は、大谷・山本・佐々木という三本柱が中心になるのは間違いありません。大谷翔平は2024年に肘手術を受けましたがまだ28歳と若く、万全であればエース&主軸打者の二刀流でチームを牽引するでしょう。NPBで無双した山本由伸も25歳と脂の乗った時期で、メジャー挑戦を経てさらにスケールアップしている可能性があります。佐々木朗希は前回大会で160km超の速球を披露し世界を驚かせましたが、2026年には25歳となり経験値も加わるため、一層安定感のあるピッチングが期待できます。
4番手以降も粒ぞろいです。メジャーリーグで結果を残した千賀滉大が今回は参戦すれば、強力な先発カードがさらに増えます。千賀は前回大会には不参加でしたが、メジャー移籍1年目の2023年に奪三振マシンぶりを発揮し新人王投票で2位となる活躍を見せました。代表入りとなればそのフォークで各国打線をねじ伏せてくれるでしょう。また、中日の高橋宏斗は将来のエース候補であり、3年後の成長を見据えて早くも名前が挙がります。左腕では昨季ノーヒットノーランも達成した横浜の今永昇太、高卒ながらエース級に成長したオリックスの宮城大弥らが先発候補です。巨人の戸郷翔征も球威とスタミナを兼ね備え、初のWBCで先発起用が期待される一人です。
なお、WBCでは球数制限もあるため、**「第2先発」的な役割を担う投手の存在も重要になります。試合展開によっては先発ローテ投手以外にも、例えば前回大会でも登板機会のあった森下暢仁(広島)や伊藤大海(日本ハム)**といった投手が中盤以降のロングリリーフで起用される可能性もあります。豊富な先発候補陣から誰が本大会のローテーションに入るか、贅沢な悩みと言えるでしょう。
リリーフ陣には、クローザー経験のある投手と若手有望株がバランスよく揃います。巨人の守護神大勢(大勢智明)は前回大会でチーム最多の4試合に登板し、防御率0.00と結果を残しました。最終回を任せられる存在として、次回大会でもリリーフ陣の中心になるでしょう。阪神の速球派湯浅京己やオリックスの宇田川優希は、ゲーム中盤~終盤にかけて投入できるセットアッパー候補です。湯浅はイニング途中からでも火消しできる柔軟性があり、宇田川も前回大会で培った度胸があります。また、日本ハムの伊藤大海は先発・ロングリリーフ両面で計算できる存在で、場面に応じた起用ができるのも強みです。
新顔では、オリックスの若手右腕山下舜平大にも注目です。山下は高卒3年目ながらオープン戦で開幕投手候補に名が挙がるほど成長し、その奪三振能力から「次世代スター候補の1人」と目されています。大会本番までに一軍で実績を積めば、“秘密兵器”的な起用もあるかもしれません。左のリリーフとしては、ヤクルトの高橋奎二とソフトバンクの大関友久が有力です。両者とも現在25歳前後で、3年後には選手として円熟期を迎える時期です。左投手はどのチームも何人いても困らないため、状況に応じてワンポイントやロングリリーフで起用されるでしょう。
抑え候補としては、先述の大勢に加え、メジャーリーグから松井裕樹が参戦する可能性があります。楽天の守護神として活躍した松井は2024年からパドレスに移籍し、5年契約を結んだ実力者です。契約にはWBC出場に関する条項も盛り込まれており(推定)、シーズン中の起用法次第ではありますが代表入りすれば貴重な左のクローザー兼セットアッパーとなるでしょう。また、2023年大会前に故障離脱した広島の栗林良吏も万全なら抑え候補です。栗林は2021年からNPBで圧巻の抑え成績を残しており、東京五輪決勝でも胴上げ投手を務めた経験があります。リリーフ陣の枠は競争が激しいですが、調子や相性を見極めて最終メンバーが選ばれるはずです。
前回WBC2023に出場しておらず、2026年大会での代表入りが期待される新戦力にも目を向けましょう。メンバー予想をする上で、2023年大会に参加できなかった実力者たちが今回は加わる可能性があり、彼らが「隠し玉」ならぬ大きな戦力アップ要因となりえます。注目の新戦力候補を挙げてみます。
他にも、2023年大会不参加組では菊池雄星(エンゼルス)などの名前も挙がります。菊池は左の先発候補で、本人もWBC出場に前向きと伝えられています。年齢的にベテランの域に入りますが、前回大会のダルビッシュ有のように投手陣の精神的支柱となる働きも期待できるでしょう。また、メジャー復帰を果たした前田健太(ミネソタ・ツインズ)**も調整が順調であれば経験豊富な先発要員として選考される可能性があります。いずれにせよ、前回不参加だった実力者たちの合流はチーム力を底上げする要素となりそうです。