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座頭金とは

座頭金とは?

江戸時代の座頭金(ざとうがね)の意味

NHK大河ドラマ『べらぼう』では、江戸時代に生きた盲人(目が見えない人)たちのグループ

「当道座(とうどうざ)」や、そのトップである「検校(けんぎょう)」という人たち、そして「座頭金(ざとうがね)」というお金の貸し借りについて描かれています。こうしたことを知っておくと、ドラマの内容がよりわかりやすくなり、歴史をもっと深く理解する手助けになります。

当道座と検校とは?

当道座は、昔の日本で目が見えない人たちが集まってつくった職業グループでした。彼らは、琵琶(びわ)という楽器を演奏したり、鍼灸(しんきゅう)やマッサージのような仕事をして、生活していました。これらの仕事は、当時の人々にとってとても大事なもので、町の中でも必要とされていました。

また、当道座の人たちは単に生活のためだけでなく、専門職としての誇りを持って働いていました。目が見えないというハンディキャップがあっても、自分たちの技術を磨き、社会の一員として活躍していたのです。

当道座の中には、厳しい順番(階級)がありました。上から「検校」「別当」「勾当(こうとう)」「座頭(ざとう)」の4つです。上の位にいくほど、権力や収入が大きくなりました。一番上の「検校」は、グループのリーダーで、仲間をまとめたり、江戸幕府とのやりとりもしていました。検校の中には、大名のような力を持っていた人もいたと言われています。

検校になるためには、経験や技術だけでなく、寄付などの経済力も必要でした。そのため、検校という地位は非常に特別なものであり、当道座の中でもごく一部の人しかなれない存在でした。

座頭金ってなに?

江戸時代、幕府は目が見えない人たちが自立できるように、特別にお金を貸すこと(高利貸し)を認めていました。特に、当道座の中でも上の位にいた検校たちが、それを行っていました。このお金を「座頭金(ざとうがね)」と言います。

この座頭金とは、主にお金に困っていた武士(旗本や大名など)に貸し出されていました。武士たちは見た目は立派でも、実はお金に困っていることが多く、生活に必要なお金を座頭金から借りることがよくあったのです。利子はとても高く、「利息の月踊り(つきおどり)」とからかわれるほどでした。お金を借りた武士たちは、返すのがとても大変で、時には財産を失うこともありました。

座頭金は、単なるお金の貸し借りではなく、幕府に認められた特別な権利でした。検校たちはこの制度を利用して、多くのお金をもうけ、社会の中で高い地位を手に入れていたのです。目が見えないという理由で差別されることが多かった時代において、この制度は彼らが社会的に認められるための大きな力になっていました。

でも一方で、座頭金の貸し付けが原因でトラブルもありました。借りた武士が返せなくなって生活が苦しくなったり、取立てが厳しすぎて、けんかになることもありました。座頭金をめぐる争いやトラブルは、時には大きな事件にもつながることがありました。だからこそ、座頭金は一目おかれる存在であると同時に、恐れられる存在でもあったのです。

鳥山検校(とりやまけんぎょう)の話

ドラマ『べらぼう』に出てくる鳥山検校は、実際にいた人物です。彼は座頭金によってとてもお金持ちになった検校で、江戸の中でも特に有名な存在でした。目が見えないながらも、その影響力は非常に大きく、多くの人から注目される存在でした。

鳥山検校は、自分の富を見せびらかすような豪華な生活をしていました。たとえば、吉原という遊郭(ゆうかく)でとても人気のあった花魁(おいらん)の「五代目瀬川(ごだいめせがわ)」を、なんと1400両(今のお金にすると1億円以上)も払って身請け(みうけ)した、という話があります。これは、彼がただの目の不自由な人ではなく、お金と地位のある人物だったことを示しています。

そのほかにも、豪華な屋敷に住み、芸術や文化にお金を使っていたことから、文化人としても評価されていました。盲人としてだけでなく、経済人・文化人としても影響力を持っていたのです。

でも、そんな鳥山検校にも終わりがきました。お金のやり方に問題があったり、政治的な対立もあって、最終的には幕府から追い出されてしまいます。彼が得たものの大きさと、それを失った時の落差はとても大きく、まさに「栄光と没落」を象徴する人物だったと言えるでしょう。この話は、成功と失敗、そして権力とお金の関係を考えさせられるエピソードでもあります。

まとめ

ドラマ『べらぼう』に出てくる当道座や座頭金、鳥山検校の話は、江戸時代の社会のしくみや、目の見えない人たちがどのように生きていたかを知る手がかりになります。

目が見えなくても、当時の社会では専門的な仕事や特別な制度を使って、自分の力で生きていた人たちがいたということがわかります。また、制度の裏には大変さやトラブルもあったということも忘れてはいけません。

歴史を学ぶことは、過去の出来事を知るだけでなく、そこに生きた人々の思いや工夫、そして人間の強さや弱さを知ることにもつながります。『べらぼう』を見ながら、歴史の面白さや、人の生き方の深さを感じ取ることができると、もっとドラマが楽しくなるはずです。今の時代にも通じるテーマが多く、学びの多い作品です。

 

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