オリビア・ハッセー

永遠のジュリエット・オリビアハッセーと日本との特別な絆

オリビアハッセー：永遠のジュリエット、そして日本との特別な絆

2024年12月28日、映画史に燦然と輝く女優、オリビアハッセーがこの世を去りました。彼女の名は、映画『ロミオとジュリエット』で世界的な名声を博しただけでなく、日本との深い関わりによって多くの日本人にも親しまれてきました。彼女の人生、キャリア、そして日本との特別な縁を振り返りながら、その魅力に迫ります。

ジュリエットとしての永遠の輝き

オリビアハッセーが17歳で出演した映画『ロミオとジュリエット』（1968年）は、フランコ・ゼフィレッリ監督による不朽の名作です。ウィリアム・シェイクスピアの戯曲を基にしたこの映画で、オリビアはジュリエット役を演じ、その美貌と演技力で観客を魅了しました。

この作品は、シェイクスピア作品の映画化として過去最高の成功を収め、オリビアはゴールデングローブ賞の新人女優賞を受賞。若くしてその名を映画史に刻むこととなりました。この役は彼女にとってキャリアの頂点であり、今日でも「永遠のジュリエット」として世界中の映画ファンに記憶されています。

日本との縁：布施明との結婚と『復活の日』

オリビアハッセーの人生には、特に日本との深い縁がありました。その象徴的な出来事の一つが、日本の歌手で俳優の布施明氏との結婚です。1971年に結婚した二人は、国際的な注目を集め、文化の架け橋とも言える存在となりました。

布施明氏はオリビアとの結婚について「彼女の純粋さに惹かれた」と語っています。一方、オリビアもまた日本文化に深い興味を持ち、結婚後には日本を何度も訪れ、テレビ番組やイベントにも出演しました。二人の結婚生活は約7年間と短命に終わりましたが、彼らの関係は多くのファンの記憶に刻まれています。

さらに、1980年の角川映画『復活の日』では、二人が再び顔を合わせ共演しました。この作品は、小松左京の同名小説を原作とし、南極を舞台にウイルスによる人類滅亡を描く壮大なSF映画です。オリビアは科学者の助手であるマリトザ役を演じ、布施明氏は科学者役として出演。二人の再会が話題となり、映画は大ヒットを記録しました。

多様なキャリアとプライベート

『ロミオとジュリエット』以降、オリビアハッセーはさまざまなジャンルの映画に出演しました。『サイコ4』（1990年）ではノーマン・ベイツの母親役を務め、心理的スリラーの世界でも評価を得ました。また、宗教映画『ジーザス』ではマリア役を演じ、彼女のスピリチュアルな一面も垣間見えました。

プライベートでは3度の結婚を経験し、3人の子どもに恵まれました。子どもたちに対する愛情深い母親でありながら、彼女は女優としても活動を続けました。晩年には、乳がんを克服した経験を語るなど、健康や人生についてのメッセージを発信していました。

日本人にとっての特別な存在

オリビアハッセーは、その美しさや才能だけでなく、日本との特別な絆によって多くの日本人に愛されてきました。布施明氏との結婚、角川映画での活躍、そして彼女自身が示した日本文化への敬意は、彼女を単なる外国のスターではなく、日本にとって特別な存在へと押し上げました。

また、彼女の来日中のエピソードも数多く語られています。日本のファンとの交流や、日本の美しい風景を楽しむ彼女の姿は、雑誌やテレビを通じて多くの人々に親しまれてきました。

最後に

オリビアハッセーの逝去は、映画界だけでなく、彼女を愛した全ての人々にとって大きな喪失です。しかし、彼女が遺した作品とその人生は、今後も人々の心に生き続けるでしょう。

彼女が私たちに示してくれた愛、才能、そして文化の架け橋としての姿勢に感謝し、彼女の魂の安らぎを祈ります。オリビアハッセーさん、心よりご冥福をお祈りいたします