YouTuberの青木歌音氏が告発した性被害の件について、一部の人々の間で「TKOの木下隆行氏は逮捕されないのか?」という疑問が上がっています。結論から言うと、現時点では木下氏が逮捕される可能性は低いと考えられます。以下、その理由を法律的な観点から解説します。
日本の刑法では、性犯罪に関する公訴時効が定められています。2023年6月に性犯罪に関する法律が改正され、公訴時効が延長されましたが、事件当時(2015年)の法律では以下のようになっていました。
罪名 | 当時の時効 | 現行の時効 |
---|---|---|
準強制性交等罪(旧・準強姦罪) | 10年 | 15年 |
強制わいせつ罪 | 7年 | 10年 |
仮に青木氏の主張する被害が「準強制性交等罪(旧・準強姦罪)」に該当するとしても、事件は2015年に発生しているため、現在(2025年)時点では時効成立まであと1年程度しかありません。「強制わいせつ罪」の場合はすでに時効が成立しています。
もし、青木氏が刑事告訴を行うとしても、時間的な制約があるため、警察や検察がすぐに捜査を開始する可能性は低いでしょう。
逮捕に至るためには、通常、被害届の提出や刑事告訴が必要になります。現在の報道では、青木氏が警察に被害届を提出したという情報は出ていません。したがって、捜査機関が動いている可能性は低いです。
ただし、被害者本人が今後被害届を提出し、捜査が進めば逮捕の可能性もゼロではありません。
刑事事件では、警察が逮捕するためには「逃亡の恐れ」「証拠隠滅の恐れ」が必要とされます。しかし、木下氏はすでに自身のYouTubeチャンネルで事実関係を認める発言をしており、逃亡のリスクも低いと考えられます。
これらの点を踏まえると、現時点では木下氏が逮捕される可能性は低いと言えるでしょう。
一方、逮捕はなくとも、民事訴訟が起こされる可能性はあります。刑事事件とは異なり、民事訴訟では「損害賠償請求」として加害者に責任を問うことが可能です。例えば、「精神的苦痛を受けた」として慰謝料を請求するケースが考えられます。
日本では性被害の損害賠償請求の時効は、2023年の法改正で事件から10年に延長されましたが、2015年の事件に適用されるかどうかは法的な議論が必要です。
木下氏は、過去にも後輩芸人へのパワハラ騒動で批判を受けており、今回の告発でさらにイメージが悪化しました。仮に法的責任を問われなかったとしても、芸能界復帰はますます難しくなると考えられます。
また、彼が経営するアパレルブランド「BUCCA 44」の今後の運営にも影響が出る可能性があります。
現時点では、以下の理由により木下氏が逮捕される可能性は低いと言えます。
今後、青木氏が正式に被害届を提出した場合や、新たな証拠が出た場合には状況が変わる可能性もあります。そのため、引き続きこの件の動向を注視する必要があります。