近年、日本の政界ではさまざまな汚職疑惑が取り沙汰されていますが、最近ネット上で急速に広まっているのが 「岩屋毅外務大臣がアメリカで起訴された」 という噂です。特に、岩屋外相が過去に 中国企業から賄賂を受け取ったとされるIR(統合型リゾート)汚職疑惑 に関する話が再燃し、それがアメリカでの訴追に発展したという投稿がSNS上で拡散されています。
しかし、 この噂は本当なのでしょうか?
実際にアメリカ司法省の起訴状に岩屋外相の名前があるのか、また彼が本当にアメリカに渡航できない状況なのか、ここでは ファクトチェック を行います。
まず、岩屋毅(いわや たけし)外務大臣について簡単に紹介しておきます。
岩屋氏は長年、国防や安全保障政策に関わってきた政治家で、2024年の政権交代後に 石破茂内閣の外務大臣 に就任しました。
「岩屋外務大臣がアメリカに行けない理由は何か?」あるいは「岩屋外務大臣がアメリカで逮捕される」と検索している人も多いようですが、現在トランプ大統領の就任式に参加する予定です。
今回の噂の背景には、過去に話題になった 「IR(統合型リゾート)汚職事件」 があります。
IRとは?
統合型リゾート(Integrated Resort)は、カジノ、ホテル、ショッピングモール、コンベンションセンターなどが一体となった複合施設です。日本では2018年にIR整備法が成立し、カジノを含むリゾート開発が可能になりました。
このIR事業に絡み、中国の企業 「500ドットコム」 (現在の BIT Mining Limited)が日本の政治家に対し、 賄賂を提供した疑惑 が浮上しました。
2019年~2020年の捜査で明らかになったこと:
この潘正明氏の起訴が、岩屋外相に関する噂の 発端 となっています。
現在、SNS上で拡散されている情報の一部を見てみましょう。
しかし、 これらの情報は信憑性があるのでしょうか?
アメリカ司法省の公式サイトや公表されている起訴状を調査 した結果、 岩屋毅外相が正式に起訴された事実は確認されていません。
さらに、 日本の主要メディア(読売新聞、朝日新聞、NHK、ロイターなど)も岩屋外相の起訴については一切報じていません。
また、 岩屋外相自身も賄賂疑惑を否定しており、アメリカ訪問に問題はない との立場を取っています。
ポイントを整理すると ✅ 岩屋外相がアメリカで起訴されたという公的な証拠はない
✅ アメリカ司法省の公式発表にも名前は出ていない
✅ 岩屋外相はトランプ大統領の就任式に出席予定
一部の投稿では 「岩屋外相はアメリカに行くと逮捕されるため、就任式に出席できない」 とされていますが、 岩屋外相はアメリカ訪問の予定を発表しており、特に問題が生じている様子はありません。
仮に 正式な起訴状が存在すれば、アメリカ政府が事前に日本側に通告する可能性が高く、その情報が日本政府や主要メディアに報じられるはず ですが、そうした報道は一切ありません。
この点からも 「アメリカに行くと逮捕される」という噂は根拠がない可能性が高い でしょう。
現在ネット上で広まっている 「岩屋毅外務大臣がアメリカで起訴された」という噂は、現時点では事実として確認されていません。
今後、新たな情報が出てくる可能性はあるものの、 現時点では岩屋外相がアメリカで起訴されているという証拠はない ため、ネット上の情報をうのみにせず、 公的な報道機関の情報をチェックすることが重要です。