2025年7月5日に隕石が地球に衝突?

2025年7月5日：地球に隕石衝突するという噂の真相

最近、日本のインターネット上で「2025年7月5日に隕石が地球に衝突する」という噂が広がっています。この話題はSNSや一部のニュースサイト、YouTubeなどで取り上げられ、関心を集めています。しかし、科学的な根拠があるのか、またこの噂が海外でも話題になっているのかについて、詳しく調査しました。

この噂の主な根拠とは？

この噂の元になっているとされる情報源は以下のようなものがあります。

1. ホピ族の予言

アメリカの先住民族ホピ族には「青い星が現れるとき、世界の終わりが訪れる」という伝承があります。この伝承が拡大解釈され、「2025年7月5日に隕石が落下する」という話につながったとされています。

しかし、ホピ族の予言には具体的な日付や隕石の衝突地点が示されているわけではなく、2025年7月5日と結びつける確固たる証拠はありません。また、ホピ族のどの人物がこの予言を語ったのか、原典があるのかといった点についても確認できていません。

2. 日本人漫画家の予知夢

日本の漫画家たつき諒氏は、自身の著書『私が見た未来』で「2025年7月に大災害が起こる」という予知夢を描いています。これが噂と結びつき、「隕石衝突を予知していたのではないか」と解釈されているようです。

ただし、この漫画では隕石衝突とは明記されておらず、大災害の種類についても具体的に記述されていません。また、予知夢の信憑性については科学的な検証がなされていないため、噂の根拠とするには疑問が残ります。

3. NASAの「地球防衛」実験

2022年、NASAは「プラネタリーディフェンス（地球防衛）」の一環として、DART（Double Asteroid Redirection Test）ミッションを実施しました。この実験では、無人探査機が小惑星ディモルフォスに衝突し、その軌道を変えることに成功しました。

この実験が「2025年に襲来する隕石対策の予行演習だったのではないか」との憶測を呼びました。しかし、NASAはそのような意図を公表しておらず、DARTミッションは将来的なリスクへの備えとして行われたものであり、特定の隕石衝突への対策ではありません。

4. NASAの隕石監視データには記録なし

NASAや欧州宇宙機関（ESA）は、地球近傍天体（Near-Earth Object: NEO）の監視を継続的に行っていますが、2025年7月5日に衝突の可能性がある天体の記録はありません。NASAの「センチネル計画」や「Sentryリスク表」などのデータベースを確認しても、この日付に対応する隕石の情報は見つかりません。

なぜ日本でだけ噂が広まっているのか？

この噂について、アメリカやヨーロッパのニュースサイト、SNS（X（旧Twitter）やRedditなど）を調査しましたが、特に話題にはなっていませんでした。

日本では、陰謀論や予言、オカルト的な内容が広がりやすい傾向があり、特に東日本大震災以来、予知や予言に対する関心が高まっています。たつき諒氏の予知夢が再評価され、話題になったことも影響していると考えられます。

また、近年ではSNSやYouTubeなどで陰謀論的な情報が拡散しやすく、科学的な根拠がないまま「恐怖を煽るコンテンツ」として拡大してしまうケースも増えています。

まとめ：この噂は信じるべきか？

結論として、2025年7月5日に隕石が地球に衝突するという噂には科学的な根拠がありません。

1. ホピ族の予言や予知夢は科学的な裏付けがない
2. NASAの地球防衛実験は、2025年の隕石とは無関係
3. NASAやESAの監視データにも、2025年7月5日の衝突リスクは記載されていない
4. この噂は主に日本のネット上でのみ広がっており、海外では特に話題になっていない

したがって、この噂はあくまで都市伝説や陰謀論の類であり、信じる必要はないでしょう。もし本当に危険な天体が地球に接近する場合、NASAや国際機関が公式に発表し、大手メディアでも取り上げられるはずです。

情報を受け取る際には、信頼できる情報源を確認し、SNSやYouTubeなどの未検証の情報に惑わされないよう注意しましょう。