アメリカで万引きは捕まらない？なぜ？

アメリカで万引きは無罪？

「なぜアメリカでは万引で捕まらないのか？」、「アメリカで万引きは無罪なのはなぜか？」という問いをインターネット上で見かけたことがあるかもしれません。

処罰が軽くなってはいるがアメリカでも万引きで逮捕されます。

アメリカで万引きが捕まらない、あるいは無罪というのは、言い過ぎです。デマの一種といえます。　しかし、万引きの取り締まりが緩和され、万引き犯が逮捕されても収監されにくくなっている傾向は確かにあります。

これは、アメリカの刑事司法制度の改革の一環として、軽犯罪に対する罰則を軽減する動きが広がっていることが背景にあります。例えば、カリフォルニア州では2014年に「プロスパクション（前向きの処遇）」と呼ばれる制度が導入され、被害額が950ドル（約11万円）以下の軽窃盗は、初犯の場合は起訴せず、社会奉仕などの代替処分を行うことが可能となりました。

この制度は、貧困や薬物依存などの問題を抱えた万引き犯を刑務所に入れることで、逆に問題を悪化させるリスクを減らすことを目的としています。しかし、その一方で、万引きの抑止力が低下し、万引きの増加につながるという批判もされています。

サンフランシスコでは、この制度が導入された2015年以降、万引きの検挙件数が大幅に減少しています。また、万引き犯が逮捕されても、収監される割合が低下しており、市内では万引きが横行しているという指摘もあります。

具体的には、2015年のサンフランシスコ市警の統計によると、万引きの検挙件数は1万1,400件でしたが、2022年には5,500件にまで減少しています。また、逮捕された万引き犯のうち、収監された割合は2015年には25％でしたが、2022年には10％にまで低下しています。

このように、アメリカでは万引きの取り締まりが緩和され、万引き犯が逮捕されても収監されにくくなっている傾向があります。これは、サンフランシスコの状況を反映したものと言えるでしょう。

カリフォルニア州の万引き法律

カリフォルニア州の提案47

この法律により、特定の窃盗犯罪が再定義されました。提案47により、$950までの商品や財産を万引きすることは軽犯罪として分類されます。有罪と判断された場合、最大で6ヶ月の郡刑務所に収監される可能性がありますが、法的代表者のサポートと前科がない場合、賠償金、保護観察、罰金を通じて刑務所を避けることが可能です​​​​​​。

法律の誤解解釈

提案47によりカリフォルニアで万引きが非犯罪化された、または許可されたという誤解が広まっています。しかし、これは事実ではありません。この法律は単に軽犯罪（万引きを含む）を重罪ではなく軽犯罪として再分類しただけです。これは窃盗を合法化するものではなく、この法律を破る者は依然として法的な結果に直面します​​。

サンフランシスコの現在の万引き状況

万引きの発生: サンフランシスコでは、特に一部のウォルグリーンズ店舗で顕著な万引きが報告されています。例えば、2023年の最初の5ヶ月間で、ミッションストリートの2690番地と3398番地のウォルグリーンズ店舗で最も多くの窃盗が報告されました​​​​​​。
警察の対応と逮捕: この期間中、サンフランシスコの全ウォルグリーンズ店舗で約750件の軽重窃盗事件が記録されました。しかし、現場での逮捕は1件だけであり、これは後に行われた逮捕を含んでいません​​。

法的措置

ウォルグリーンズ店舗に関連する刑事事件が報告されています。1月から5月の間に8件の刑事事件があり、そのうちのいくつかは万引きではなく強盗に関連しています。これらの中で、2件の軽犯罪事件が有罪判決を受けました​​​​。

小売業者の課題: 店員によると、一部の店舗では10～30分ごとに未払いの商品を持ち去る人々が見られます。この状況により、いくつかの店舗が閉店し、セキュリティ対策が調整されています​​​​。

カリフォルニア州の法律が一部の窃盗を軽犯罪として扱うように変更されたことは事実ですが、万引きが罰せられないというのは誤解です。法的な結果は依然として適用されており、特に一部の小売店では、盗難の問題が続いています。店員によると、一部の店舗では10～30分ごとに商品が盗まれることがあり、これがいくつかの店舗の閉鎖やセキュリティ対策の調整につながっています。サンフランシスコでは、特にウォルグリーンズなどの一部の店舗で窃盗が頻繁に報告されており、店舗側はこの問題に対処するために様々な対策を講じています​​​​。

要するに、カリフォルニア州では一定の金額以下の窃盗が軽犯罪として扱われるようになりましたが、万引きが許されていたり、無罪であるわけではありません。法的な結果は依然として適用され、特に小売業者は窃盗の問題に対処するために努力しています。

州によって異なる万引きに対するアメリカの法律

アメリカ合衆国内での万引きに対する法律は州によって大きく異なります。窃盗の重罪起訴の基準に基づくと、以下のようになります：

多くの州

多数の州では、重罪窃盗の閾値は$1,000から$1,500の間に設定されています。22の州では、$1,000以上の商品を盗むと重罪として起訴されます​​。

低い閾値を設定する州

10の州では閾値が$1,000未満です。ニュージャージー州は最も低く$200、イリノイ州とニューメキシコ州は$500、フロリダ州、ハワイ州、インディアナ州、ミズーリ州、ワシントン州、バーモント州は$750から$900の範囲、カリフォルニア州は$950です​​。

高い閾値を設定する州

いくつかの州では比較的高い閾値が設定されています。コロラド州、コネチカット州、ペンシルベニア州、サウスカロライナ州は$2,000の閾値を持ち、テキサス州とウィスコンシン州は国内最高の$2,500の閾値を設定しています​​。

これらの閾値は盗まれた商品の価値が窃盗を重罪とするか軽犯罪とするかを分類するものです。州によって閾値が高い場合でも、万引きを軽く見ているわけではないことに注意が必要です。軽犯罪と重罪の分類は、罰の重さに大きく影響します。