シュークリームの語源について説明すると、このスイーツはフランス料理の伝統的なデザート、「シュー・ア・ラ・クレーム(chou à la crème)」に由来しています。「シュー(chou)」とはフランス語でキャベツを意味し、生地が焼き上がるとキャベツのようなふくらんだ形になることからその名が付けられました。一方、「クレーム(crème)」はクリームを意味します。したがって、「シュー・ア・ラ・クレーム」とはクリームを詰めたキャベツの形をした菓子という意味になります。
シュークリームの生地は、パテ・ア・シュー(pâte à choux)という生地を使用しています。これは、水、バター、小麦粉、卵を混ぜて作る非常にシンプルなものですが、高温で焼くことで生地内の水分が蒸発し、中が空洞になる特徴があります。この空洞に後からクリームを注入することで、シュークリームが完成します。
シュークリームはフランスから世界中に広まり、各国で様々なバリエーションが楽しまれています。日本においても、シュークリームは非常に人気のあるスイーツの一つとなっており、カスタードクリームやホイップクリーム、抹茶クリームなど、多種多様なフレーバーが詰められています。
英語で「シュークリーム」は “cream puff” と一般的に言います。”Choux pastry” はシュー生地のことを指し、その生地で作られた菓子を指す場合は “cream puff” が適切です。なお、英国英語では “profiterole” がよく使われますが、これは通常、チョコレートソースをかけた小さめのシュークリームを指すことが多いです。日本でもシュークリームに似たエクレアは人気ですが、アメリカにもエクレアはあり、こちらは日本語での表現同様、Eclairと呼ばれています。
日本語で「シュークリーム」と発音すると英語の “shoe cream” と似てしまい、それは「靴クリーム」を意味してしまいます。このような語源の誤解を避けるために、英語で「シュークリーム」を説明する際は “cream puff” と言うのが適切です。正しい英語の発音では “cream puff” はクリームを詰めたシュー生地のスイーツを指し、”shoe cream” とは全く異なるものになります。
日本で最初に「シュークリーム」という名前でスイーツを作り、販売したのは、具体的にどの店舗や個人であるかについての記録は明確ではありません。シュークリームはフランスの「シュー・ア・ラ・クレーム」から来ており、昭和時代初期にはすでに日本に紹介されていたとされますが、最初に「シュークリーム」という名前で販売を開始した場所についての文献は少ないです。
しかし、一部の資料では、1934年(昭和9年)に東京の銀座にあった洋菓子店「銀座メープルハウス」が、シュークリームを日本で初めて販売したとされる場合もあります。ただしこれが事実かどうかは、当時の資料の不足から確証を得にくい状況です。