「アイドル」という言葉の語源について考えてみましょう。
アイドルという言葉は、元々は英語の “idol” から派生しました。この言葉はギリシャ語の “εἴδωλον (eidōlon)” に由来し、「偶像」や「幻像」という意味を持っています。この語源から、アイドルは本来、崇拝される対象や偶像を指していました。時が経つにつれて、この言葉はポップカルチャーにおける特定の人物、特に若くて外見的に魅力的な歌手を指すようになりましたが、実力がないという意味合いがある場合のみで使われていました。英語圏ではidolというと「外見だけのまがい物」といったニュアンスがあります。
なお、日本語の「偶像」と言う言葉は元々漢語で「人形」と言う意味です。
アイドルには、「うわべだけで中身がない」、「中身がからっぽ」といったニュアンスが含まれていることが多いですよね。
アイドル歌手と聞くと、歌唱力はある程度認められるかもしれませんが、楽器の演奏や作詞・作曲等はできないという意味合いが含まれます。
Miwa、あいみょん、いきものがかり、福山雅治といったアーティスト達は、アイドルとは呼ばないでしょう。これらのアーティストは実力が伴っているためです。
脱アイドルというと、元アイドルが音楽性を追求したアルバムを発売したり、作詞作曲をしたりするときに使われますよね。外見だけに頼る存在からの脱皮と言うわけです。
野球のイチロー選手や将棋の藤井聡太選手に対して「アイドル化されている」と表現されることがあります。これは、彼らの具体的な実績や能力を理解しないまま、単に有名であるという理由だけで崇拝されることを指しこれらの人たちが何がどう凄いのかを具体的に分けりもしないで、ただ有名であるとか凄い人と聞いたといった低いレベルでの理解で崇拝するという意味になることが理解できるでしょう。
アイドルという言葉は、時間とともに変化し、多様な意味合いを持つようになりました。一方で、そのニュアンスにはしばしば表面的な魅力と実力の不足が意味されています。一方で、一定数のアーティストがこのレッテルを超え、真の実力を示しています。
日本語の「アイドル」を英語で表現する場合、日本独自の文化的なニュアンスを含めるために、より詳細な表現が必要になることがあります。例えば、以下のような表現が考えられます:
あるNHK教育テレビの子供向け英語番組で「アイドルになりたい」という文が “I want to be a pop star. “と訳されていました。
「Pop star」という表現は、一般に広範囲の国々で人気のあるポップミュージックの歌手やアーティストを指す言葉です。しかし、「Pop star」は通常、音楽的な才能による成功を強調する傾向がありますので日本の「アイドル」とは異なる側面があります。