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「私は」は「は」と書くのになぜ「わ」というのか?

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「私は」は「は」と書くのになぜ「わ」というのか?

「私は」の「は」が「わ」と発音される理由

「は行」の音は世界的にみても難しい音

「私は」は「は」と書くのになぜ「わ」というのでしょうか? 「どこへ」の「へ」という仮名も「え」と発音されるなど音的にみ日本語の「は行」は不思議ですね。「私は」は「は」と書くのになぜ「わ」と発音されるのかという疑問は多くの日本語を学習する外国人も持つようです。

「はひふへほ」のようなHで始まる音は実は世界の多くの言語の話し手にとって発音しづらい音または聞き取りにくい音なのです。

例えば、フランス語の話し手(ネイティブ)はHの発音ができません。なので仮にローマ字 で “watashi ha”と書いたものをフランス人に発音してもらうとWatashia (わたしあ)と発音されことが多くあります。

またフランス人がAre you Hungry?(おなかがすいてますか?)を発音するとAre you angry?(怒ってこってますか?)になってしまうことがあります。逆にもしあなたが Are you hungry?と質問すると相手にはAre you angry?と聞こえてしまうことがあるはずです。

これはフランス語のネイティブはHの音を識別すること自体が出来ずに、Hの音のありなしを区別しない事を意味します。もしあなたがハップルと言えばフランス人の耳にはアップルと聞こえることがあるわけです。

(英語が得意なフランス人はhの音を発音する事やhのあるなしを区別出来ますが。)

英語の話し手はHの音を識別できますがHの音は重要性が低いことも多く、例えば I like him.のような文の場合「アイライキム」と発音されるようにhの音がなくなることもしばしあります。

このことから日本語でも歴史的に見て「はひふへほ」の発音は難しかった音あるいは混乱があった音と容易に想像できます。

日本語の「はひふへほ」

日本語の「はひふへほ」ですが、「ふ」の音は実際にはhuではなく Fuという英語などでみられるFの音で代用されることが多いです。例えば、富士はローマ字でHujiではなくFujiと書きますよね。このことは日本人はFu とHuの音を区別していないことを意味します。また 日本語の「ひ」の発音ですが 日本語の「ひ」に用いられる音も英語のHit といった音にある英語の”hi”という音とはきわめてかけ離れた、擦れた音(発音記号で[ç])が用いられています。すなわち現代の日本人はhの音を発音できると思い込んでいるが実は英語の Hit のような音を発音する時、英語のhの音を正しく発音できずにかけ離れた音[ç]で代用しているのです。

江戸弁の話し手の東京人は「ひ」は発音も聞き取りも出来ない

つい最近まで実際、江戸弁を話す東京の人たちにとって「ひ」という音は発音できない(認識できない)音なので「ひ」は「し」という音に入れ替わってしまっていました。あるいは「ひ」と「し」 を区別していなかったといえます。江戸弁では例えば、広島は「シロヒマ」や「シロシマ」と発音されたりしていたわけす。

貴方の「フ」の発音をチェック

皆さんは、例えばフードやフランスという言葉を日本語で発音するときFの音を使うでしょうか、それともHの音を使うでしょうか? 実際に発音してみたり、周りの人に発音してもらって見てください。もしかしたら様々な発音を聞くかもしれません。このように日本語ではFとHの区別をしません。一方、英語ではFood  とHoodは全く別のものを指して完全に区別しますよね。日本人の多くは「フ」を発音するとき、FuでもHuもない、音声記号で書くと[ɸ]という上下の唇を使った音で発音する人が非常に多いです。このように日本語では仮名一つにとっても実際には違う音が用いられていたり、複数のバリエーションがある場合が多くあるのです。

ハ行の音は歴史的に変化

古代の日本語の話し手にとって「はひふへほ」の音は難しく、それらを発音できずに「わいうえお」 と発音していた、あるいは「はひふへほ」の5つの音と「わいうえお」の5つ音を特に区別しなかったり混同していたと推測できます。

「はひふへほ」の発音や聞き取りによる識別がむずかしい音なので時に「ハ」は「パ」の音で「ホ」の音は「ポ」で代用されたり、あるいは区別自体がされなかったとも言えます。

「日本」という言葉に「ニホン」や「ニッポン」というバリエーションができ、両音が混在するあるいは区別しないという状況ができたとも言えます。

他にも、

  • どこへ (どこえ)
  • かほり (かおり)
  • 思ふ (おもう)

などで「は行」の音が他の音(あ行の音)に入れ替わる現象がみられます。

「わたしは」と書いで「わたしわ」と読む理由ですが、その昔「は」という音は発音しにくかったため、「あ」もしくは「わ」という音で代用され、やがて両音は区別自体がされなくなったからと言えます。そして現代になり「は」と「わ」は区別される別々の音と認識されるようになったため文字(仮名)と発音に食い違いが出てきたわけです。

このように言葉の音は一つの言語でも歴史的に見るとある時代では別の音として区別していたがある時代では区別されなくなったり、次の時代ではまた区別されるようになったりすることが多くあるわけです。

現代では「を」と「お」は同じ音と見なされていますが、ある時代では明確に区別していたことでしょうし、「じ」と「ぢ」の音も区別していた時代もあったことでしょう。 実際現在でも「じ」と「ぢ」の音を区別する方言もあるようです。

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