2馬力選挙・意味

2馬力選挙とはどういう意味かを解説

選挙に関する用語の一つに「2馬力選挙」という言葉があります。この言葉は、特にごく最近の日本の政治シーンで使われることがあり、候補者を支援する側の選挙戦略を指す表現です。本記事では「2馬力選挙」の意味や具体的な事例について解説します。

2馬力選挙とは？

「2馬力選挙」とは、知事選などの選挙に特定の政治家が、自身の当選を目指すのではなく同じ選挙の別の候補者を強力に支援し、一緒に戦う選挙戦略のことを指します。「2馬力」とは、もともと馬の力を表す単位であり、「1馬力」は1頭の馬が出せる力を指します。「2馬力」と言うことで、「二人の力を合わせて戦う選挙」というニュアンスが込められています。

選挙に立候補するのは候補者本人の当選を目指すのが通常ですが、2馬力選挙の場合、候補者の一人が自身の当選は目指さず、他の候補者の当選のために選挙活動を行います。

誰もこのような事を想定していなかったため、選挙違反では？と指摘されるものの２馬力選挙をを防ぐ法律が今までなかったのが現状です。

2馬力選挙の具体例

📌 2024年 兵庫県知事選

• 立花孝志氏が齋藤元彦知事を支援する形で「2馬力選挙」を展開。

📌 2025年 千葉県知事選

• 立花孝志氏が熊谷俊人現職知事を「2馬力選挙」で支援すると表明。(しかし2月14日立花氏は熊谷氏に迷惑がられていることを理由に断念）

このように、著名な政治家が他の候補を支援し、一体となって戦う選挙が「2馬力選挙」と呼ばれます。

2馬力選挙のメリット

✅ 選挙戦の強化

• 支援する側の知名度や影響力を活かし、選挙戦を有利に進めることができる。

✅ メディアの注目を集めやすい

• 著名な支援者がいることで報道される機会が増え、知名度向上につながる。

✅ 支持基盤の拡大

• 支援者の支持層を取り込み、より幅広い有権者にアピールできる。

2馬力選挙の問題点と法的課題

⚠ 公職選挙法の想定外の行為

• 日本の公職選挙法では、ある候補者が別の候補者を支援することは本来想定されていなかった。

⚠ 法の隙間を突く脱法行為

• 現状では違法ではないが、法の抜け穴を利用した手法と見なされることがある。

⚠ 与野党が対策を協議中

• この手法の影響を懸念し、与野党が規制に向けた対策を検討している。

⚠ 公職選挙法改正の動き

• 2024年2月14日、与野党7党が「2馬力選挙」などの選挙関連の問題に対応する公職選挙法改正に向けて議論。
• れいわ新選組を除く自民、立憲民主、日本維新の会、国民民主、公明、共産の6党が改正案を了承。
• 改正案には、2馬力選挙について「必要な措置を講じる」と付則に明記。
• 2月20日に改正案を国会に提出予定で、夏の東京都議選と参院選までに施行を目指している。

⚠ 候補者の独自性が薄れる可能性

• 支援者の存在感が強すぎると、候補者自身の政策や個性が埋もれてしまうことがある。

⚠ 批判や反発を招くリスク

• 支援する政治家の評価が分かれる場合、逆に選挙戦に悪影響を及ぼすことも。

⚠ 選挙後の関係性

• 選挙後、支援を受けた候補者が支援者の意向に従わなかった場合、軋轢が生じる可能性がある。

「2馬力選挙」という言葉の起源

まとめ

「2馬力選挙」とは、特定の政治家や団体が候補者を強力に支援し、一緒に選挙戦を戦う戦略のことを指します。この方法には、

• 選挙戦を強化できる
• メディアの注目を集めやすい
• 支持基盤の拡大が可能

といったメリットがある一方で、法的なグレーゾーンが存在し、公職選挙法の抜け穴を利用した「脱法行為」とも言われています。

2024年2月には、与野党7党が「2馬力選挙」などの問題に対応するための公職選挙法改正案を議論し、改正案には2馬力選挙に関する措置を明記する方針が示されました。今後の選挙戦にも影響を与える可能性が高く、注目が集まっています。