国際輸送を行う場合、輸送会社の仕向け地代理店からB/L(船荷証券)の原本の提出を求められることがあります。しかし、船荷証券を積み地の船会社の営業所で元地回収の手続きをすれば(B/Lをサレンダーすれば)、仕向地(荷物の着地)で貨物を受け取る際に船荷証券の原本を要求されることはありません。
船荷証券は、貨物のチケットのようなものです。貨物を受け取るためには、船荷証券が元地回収されて、Surrendered B/Lの扱いとなっていない限り、オリジナルを船会社の仕向地代理店に提出する必要があります。
国際取引では、現在、ほとんどの荷主(輸出者)は船荷証券(B/L)の原本を荷受人に送ることはあまりしません。その代わり、出発地で船荷証券を元地回収しサレンダードB/Lのかたちにすれば手続きが非常に簡単になるからです。
通常、船荷証券(B/L)は船の出港日に発行されます。例えば、日本から香港に船積みする場合、貨物は6日後に香港の港に到着することになります。出港日から数日後にB/L(船荷証券)を船会社から受け取り、EMSやFedExなどで荷受人に送付する場合、B/Lは船が香港港に到着した後に荷受人に届けられることになり、実際にB/Lが荷受人に届くのは出港日から数日後になります。EMSやFedExによる発送の料金は決して安くはなく、また不着や遅延のリスクもあります。その点、B/Lがサレンダー(元地回収)されると、手続きは非常にシンプルになります。B/Lがサレンダーされれば、オリジナルは着地で必要ありません。船会社は、荷主から代金を受け取ると(通常、身の回り品の場合は当社のような国際引越業者を通して)、元地回収の手配をします。そして、船荷証券が元地回収され、原本がなくても貨物が引き渡されることの確認を現地の代理店に送ります。通常、元地回収の手続きには数時間から数日かかります。
船社に諸費用を支払いB/L元地回収されると、運送業者は船荷証券に「Surrendered」というスタンプを押し、Surrendered b/lのコピーを荷主に送ってくれます。 そのコピーを荷受人に送ることが重要です。
Sea Waybillは、サレンダーれたB/Lと同様の役割があり、オリジナルは必要ないということになります。エクスプレス・リリース/テレックス・リリースも同様です。
中南米諸国およびインドネシアの税関では、サレンダーB/L, express release, waybill は受理されません。したがって、(日本などから)中南米諸国やインドネシアに船積みする場合は、B/Lをサレンダーするのではなく、国際引越し業者や船会社からB/Lの原本を送付してもらうようにしなければなりません。