メジャーリーグのエース ナンバー

メジャーリーグ(MLB)にもエースナンバーはある？

MLBにおける「エース ナンバー」という明確な概念は存在しません。しかし、特定の背番号がエース級の投手に選ばれる傾向にあること、また選手が自身の背番号に込める意味は、スポーツの世界におけるユニークな文化と言えるでしょう。

メジャーリーグ（MLB）におけるエースナンバーとは、一体どのような意味を持つのでしょうか。エースという言葉から連想されるのは、チームの中核を担う投手、つまりそのチームの最も信頼されるスターティングピッチャーです。しかし、メジャーリーグの場合エースナンバーといっても、具体的な数字が定義されているわけではありません。それでも、野球の世界では、特定の背番号が一流のピッチャーや特定のポジションの選手と結びつけられることがあります。今回はMLBにおけるエースナンバーについて、その歴史、文化、そして実際にエースと見なされる投手たちの背番号を紐解いていきます。

エースナンバーの起源

MLBでは、背番号の歴史は1930年代に遡ります。最初は、打順に応じて背番号が割り当てられることが多かったです。例えば、1番打者が1番、2番打者が2番というようにです。しかし、この伝統はすぐに進化し、選手のポジションやチーム内での役割によって背番号が決定されるようになりました。その中で、特に「1」の背番号は、エースピッチャー、すなわちチームの第一投手に与えられることがありました。ただし、これはあくまで一つの慣習であり、全てのチームや全てのエースピッチャーに当てはまるわけではありません。

MLBにおけるエースナンバーの現状

現代のMLBでは、エースピッチャーに特定の背番号が割り当てられるという慣習は薄れつつあります。エースピッチャーは30番台、40番台、さらには50番台の背番号を背負うこともあります。この背番号の選択は、選手の個人的な好み、利用可能な背番号、あるいはチーム内での伝統に基づくことが多いです。

例えば、クレイトン・カーショー（ロサンゼルス・ドジャース）は背番号22を、マックス・シャーザー（かつてのワシントン・ナショナルズ、現在はロサンゼルス・ドジャース）は背番号31を使用しています。これらの例からもわかるように、エースとされる投手の背番号は多様であり、一定のパターンには収まりません。

過去３０年間にMLBで活躍したエース級名投手の背番号

過去三十年のMLBで活躍したエース級の名投手とその背番号、所属チームを挙げます。このリストは多くの偉大な投手を含んでいますが、全ての優れた投手を網羅しているわけではないことに注意してください。以下に、20名の名投手をリストアップします。

1. グレッグ・マダックス – アトランタ・ブレーブス (#31)
2. ランディ・ジョンソン – アリゾナ・ダイヤモンドバックス、シアトル・マリナーズ (#51)
3. ペドロ・マルティネス – ボストン・レッドソックス、モントリオール・エクスポズ (#45)
4. ロジャー・クレメンス – ニューヨーク・ヤンキース、ボストン・レッドソックス (#21, #22)
5. クレイトン・カーショウ – ロサンゼルス・ドジャース (#22)
6. ジャスティン・バーランダー – ヒューストン・アストロズ、デトロイト・タイガース (#35)
7. マックス・シャーザー – ワシントン・ナショナルズ、ロサンゼルス・ドジャース (#31)
8. フェリックス・ヘルナンデス – シアトル・マリナーズ (#34)
9. ロイ・ハラデイ – トロント・ブルージェイズ、フィラデルフィア・フィリーズ (#32, #34)
10. クリス・セール – ボストン・レッドソックス、シカゴ・ホワイトソックス (#41, #49)
11. ジェイコブ・デグロム – ニューヨーク・メッツ (#48)
12. ティム・リンスカム – サンフランシスコ・ジャイアンツ (#55)
13. CC・サバシア – ニューヨーク・ヤンキース、クリーブランド・インディアンス (#52)
14. マリアーノ・リベラ – ニューヨーク・ヤンキース (クローザー) (#42)
15. トレバー・ホフマン – サンディエゴ・パドレス (クローザー) (#51)
16. アダム・ウェインライト – セントルイス・カージナルス (#50)
17. ザック・グレインキー – ロサンゼルス・ドジャース、アリゾナ・ダイヤモンドバックス、他 (#21, #23)
18. カート・シリング – アリゾナ・ダイヤモンドバックス、ボストン・レッドソックス (#38)
19. ジョン・スモルツ – アトランタ・ブレーブス (#29)
20. アンディ・ペティット – ニューヨーク・ヤンキース、ヒューストン・アストロズ (#46)

これらの選手は、それぞれがMLBの様々な時代において、その優れた実績と才能で野球の世界に大きな影響を与えました。チームや背番号は選手のキャリアのある時点を指しており、彼らが複数のチームでプレーした場合もあります

エースナンバーの文化的意味

エースナンバーが特定の背番号に限定されない現状でも、エースピッチャーがチームに与える影響は計り知れません。エースはチームの勝利を左右するキープレイヤーであり、その存在はチームメイトやファンにとって大きな安心感と尊敬の対象となります。エースがマウンドに上がる日は、チームにとって特別な意味を持ち、勝利への期待が高まります。

エースの背番号とその選手の関係

エースピッチャーが背負う背番号は、その選手のアイデンティティの一部となることがあります。ファンは特定の背番号を見るだけで、その選手の印象的なプレーを思い出したり、選手に対する愛着を感じたりします。そのため、エースピッチャーがチームを離れる際には、その背番号が「永久欠番」となることもあります。これは、その選手がチームに与えた貢献と影響を永遠に記憶に留めるための象徴的な行為です。

まとめ

MLBにおけるエースナンバーは、特定の数字に限定されるものではありません。それよりも、エースピッチャーとはそのチームの最も信頼される投手であり、勝利への道を切り開く存在であることが重要です。背番号はその選手のアイデンティティの一部となり得ますが、最終的にはその選手のパフォーマンスとチームへの貢献が、エースとしての地位を確立します。エースピッチャーがいることは、チームにとって計り知れない価値があり、その背番号はファンにとって特別な意味を持ち続けます