ブレイク・スネル
ドジャースに加わるサイ・ヤング賞2度の左腕
MLB(メジャーリーグ)のオフシーズンは、ファンにとってワクワクする移籍市場の話題で溢れます。今年、ロサンゼルス・ドジャースが大きな注目を集める契約を結びました。それは、サイ・ヤング賞を2度受賞した左腕、**ブレイク・スネル(Blake Snell)**との契約です。この移籍は、ドジャースの先発ローテーションを大幅に強化するだけでなく、チームの来シーズンに向けた優勝への期待をさらに高めるものとなっています。
ブレイク・スネルとは?
ブレイク・スネルは、MLBの中でも特に支配力のある投手の一人として知られています。そのキャリアの中での主な実績を振り返ってみましょう。
経歴と成長の軌跡
1. アマチュア時代
- 生年月日:1992年12月4日
- 出身地:アメリカ・ワシントン州シアトル近郊
- 高校:Shorewood High School
スネルは高校時代から注目を浴びる存在で、優れた制球力と多彩な変化球が特徴でした。
2. ドラフト指名とプロ入り
- 2011年ドラフト:タンパベイ・レイズがスネルを1巡目(全体52位)で指名。
高校卒業後、すぐにプロ入りを選択し、レイズ傘下のマイナーリーグでキャリアをスタートさせました。
3. マイナーリーグ時代(2012年~2015年)
- マイナー時代には段階を追って成長を続け、防御率と奪三振率で目覚ましい数字を記録しました。
- 特に2015年にはマイナーリーグ全体で防御率1.41、三振率11.6という圧倒的な成績を残し、将来のエースとしての期待が高まりました。
4. MLBデビュー(2016年)
- 2016年にメジャーデビュー。デビュー年は19試合に登板し、防御率3.54を記録。まだ荒削りながらも、才能の片鱗を見せました。
MLBでの主な実績
2018年:ブレイクの年(サイ・ヤング賞初受賞)
- 成績:33試合登板、21勝5敗、防御率1.89、221奪三振
- アメリカンリーグで最多勝を記録し、防御率もリーグトップ。特に後半戦は15勝1敗、防御率1.17と驚異的な活躍を見せました。
- サイ・ヤング賞を満票で受賞。これはタンパベイ・レイズ史上初の快挙です。
2020年:ワールドシリーズ進出
- 防御率3.24を記録し、新型コロナウイルスの影響で短縮されたシーズンでも安定した投球を披露。
- ポストシーズンでは特に躍動し、ロサンゼルス・ドジャースとのワールドシリーズ第6戦で6回途中まで無失点のピッチングを見せました。
※結果的に早期降板が議論を呼びましたが、その支配力は多くのファンに印象を残しました。
2023年:サンディエゴ・パドレスでサイ・ヤング賞2度目の受賞
- 成績:32試合登板、14勝9敗、防御率2.25、234奪三振
- ナショナルリーグで防御率トップを記録。シーズン後半には9試合で防御率0.73という圧倒的な安定感を誇りました。
- 再びサイ・ヤング賞を受賞し、史上7人目となる両リーグでの受賞は見事な偉業です。
2024年:サンフランシスコ・ジャイアンツ
20試合に登板して5勝3敗、防御率3.12、145奪三振、WHIP1.05という安定した成績を残しました。特に、8月2日のシンシナティ・レッズ戦では、自身初となるノーヒットノーランを達成し、大きな話題となりました。
シーズン終了後、スネル選手はオプトアウト権を行使し、フリーエージェントとなりました。その後、2024年11月26日にロサンゼルス・ドジャースと5年総額1億8200万ドルの契約を結び、2025年シーズンから新たなチームでの活躍が期待されています。
ピッチングスタイルの特徴
- キレのある速球
平均94~96mph(約151~154km/h)のフォーシームは、高速で伸びがあり、空振りを奪いやすい球種です。
- 変化球の多彩さ
- スライダー:左右打者を問わず空振りを取る決め球。特に外角への制球が正確。
- チェンジアップ:右打者に対して有効で、スネルのもう一つの武器です。
- カーブ:緩急をつける目的で使用し、バッターを翻弄します。
- 制球力の改善
若手時代には与四球が多かったものの、キャリアを重ねる中で徐々に改善。特に大事な場面での集中力は際立っています。
エピソード
- ゲーム好き:スネルは熱心なゲーマーで、Twitchでの配信も人気です。試合外でもファンと交流を楽しむ姿勢が彼の魅力の一部となっています。
- 愛されるキャラクター:ユーモアと率直な性格で、チームメイトやファンから愛されています。
ブレイク・スネル 年度別成績
|
所属チーム |
登板数 |
勝利 |
敗戦 |
防御率 |
投球回数 |
奪三振 |
WHIP |
2016 |
レイズ |
19 |
6 |
8 |
3.54 |
89.0 |
98 |
1.62 |
2017 |
レイズ |
24 |
5 |
7 |
4.04 |
129.1 |
119 |
1.33 |
2018 |
レイズ |
31 |
21 |
5 |
1.89 |
180.2 |
221 |
0.97 |
2019 |
レイズ |
23 |
6 |
8 |
4.29 |
107.0 |
147 |
1.27 |
2020 |
レイズ |
11 |
4 |
2 |
3.24 |
50.0 |
63 |
1.20 |
2021 |
パドレス |
27 |
7 |
6 |
4.20 |
128.2 |
170 |
1.32 |
2022 |
パドレス |
24 |
8 |
10 |
3.38 |
128.0 |
171 |
1.20 |
2023 |
パドレス |
32 |
14 |
9 |
2.25 |
180.0 |
234 |
1.19 |
2024 |
ジャイアンツ |
20 |
5 |
3 |
3.12 |
104.0 |
145 |
1.05 |
通算成績(2024年終了時点)
- 登板数:211試合
- 勝敗:76勝58敗
- 防御率:3.19
- 投球回数:1096.2回
- 奪三振:1368
- WHIP:1.22