アメリカのプロ野球「メジャーリーグ(MLB)」には、日本のプロ野球(NPB)とは違うルールがいくつかあります。その一つが「延長戦の仕組み」です。 この記事では、授業で野球のルールについて少し学んだ高校生向けに、MLBの延長戦がどうなっているのか、わかりやすく説明します。
MLBでは、延長戦の上限回数が決まっていません。つまり、どちらかのチームが勝つまで、何回でも続きます。
一方で、日本のプロ野球では「最大12回まで」と決まっていて、それでも決着がつかないと「引き分け」になります。MLBにはこの「引き分け」がないのが特徴です。
そのため、MLBでは延長戦がとても長くなることもあります。
1984年に行われた「ホワイトソックス vs ブルワーズ」の試合では、25回まで延長が続きました。この試合はなんと2日間にわたって行われ、合計8時間6分という長さでした。
2020年から、MLBでは「タイブレークルール」が導入されました。
これは、延長10回からは無死(アウトなし)で二塁にランナーを置いた状態で攻撃を始めるというルールです。このルールにより、点が入りやすくなり、試合が早く終わるようになっています。
このルールは、コロナ禍の中で選手の負担を減らすために導入されましたが、その後もレギュラーシーズンで継続して使われています。
ただし、ポストシーズン(プレーオフやワールドシリーズ)ではこのルールは使われません。そのときは、通常どおりの延長戦が行われます。
比較項目 | MLB(アメリカ) | NPB(日本) |
---|---|---|
延長の上限 | なし | 12回まで(引き分けあり) |
タイブレーク | 10回から無死二塁 | 一部の大会のみ導入 |
引き分け | なし | あり |
このように、MLBでは「最後まで決着をつける」ことを大切にしていて、それがルールにも表れています。
延長戦が長くなると、使えるピッチャーが足りなくなってしまうことがあります。
その場合、**普段はピッチャーをしない野手(たとえば内野手や外野手)**がピッチャーをやることもあるんです。
また、少しでも点を取るために、バント、盗塁、代走など、いろいろな作戦が使われるようになります。
こういった工夫やチーム全体の力が試されるのが、延長戦の面白いところです。
延長戦は夜遅くまで続くこともあります。それでも、地元チームを応援するファンは、最後まで残って応援する人が多いです。
MLBより下のレベルのリーグ「マイナーリーグ」では、さらに長い試合がありました。
1981年にあった試合では、33回まで延長戦が続きました!試合は途中で中断され、次の日に再開されて、ようやく勝負が決まりました。
延長戦では、選手の体力や集中力、監督の判断力、チームの工夫が試されます。
このルールを知っておくと、メジャーリーグの試合を観るときに、もっと深く楽しめるようになると思います。