いよいよ2025年のMLBシーズンが開幕します。今年は昨季ワールドシリーズ覇者のロサンゼルス・ドジャースをはじめ、各チームがどんな戦いを見せるのか注目ですね。オフシーズンには大型補強や移籍も相次ぎ、最新の戦力評価「パワーランキング」ではその動きが反映された順位が発表されています。ESPN発表の開幕前パワーランキングでは、ドジャースが堂々の1位にランクインし、2位フィラデルフィア・フィリーズ、3位ニューヨーク・ヤンキースと続きました。メッツ(千賀滉大投手所属)が4位、ブレーブスが5位と続き、トップ5にナ・リーグ東地区のチームが3球団入るなど各地区で勢力図が様変わりしています。
ドジャースは昨年オフに大谷翔平選手をエンゼルスから獲得し、大きな話題を呼びました。移籍1年目の昨季、大谷選手は打者に専念してメジャー史上初の「50本塁打・50盗塁」を達成する歴史的活躍でチームの世界一に貢献しています。そのドジャースで迎える移籍2年目の今季、いよいよ投手としても復帰し“二刀流”での活躍が期待されています。ファンとしても大谷選手が再び投打で暴れ回る姿にはワクワクしますね。今年は右肘手術からの本格復帰となりますが、「ピーク」とも言われる31歳のシーズンにどんな数字を残すのか大いに注目です。
また、このオフは他にもビッグネームの動きがありました。例えばメッツは大型FAとなったフアン・ソト外野手を15年契約で電撃獲得し、大補強に成功しました。昨年ソト選手はヤンキースで1年プレーした後にFA市場に出た形で、ニューヨークの両軍による争奪戦の末メッツ入りを決めたそうです。一方、シカゴ・カブスも日本人左腕の今永昇太投手や強打者のカイル・タッカー外野手を補強し戦力アップを図っています。こうした移籍情報や昨季の成績を踏まえ、2025年シーズンの各地区の順位予想をカジュアルにまとめてみました。それぞれの地区ごとに優勝争いの行方と注目ポイントを見ていきましょう。
1位 ヤンキース(90勝72敗)
👉 ジャッジとソトの強力打線が健在。先発ローテも充実しており、優勝候補筆頭。
2位 オリオールズ(89勝73敗)
👉 若手中心のフレッシュな戦力が躍動。ガナー・ヘンダーソンらの成長がカギ。
3位 ブルージェイズ(84勝78敗)
👉 ゲレーロJr.やビシェットなどのスター選手が揃うが、投手陣にやや不安。
4位 レイズ(82勝80敗)
👉 例年通りの戦術野球で勝率は高いが、大きな上積みには欠ける印象。
5位 レッドソックス(79勝83敗)
👉 再建期にあり、若手の育成と中堅の底上げが課題。
ア・リーグ東地区は今年も激戦が予想されています。ヤンキースとオリオールズの優勝争いは紙一重の大接戦になりそうです。PECOTA予測によればヤンキースが90勝、オリオールズが89勝とわずか1ゲーム差で、両チームともプレーオフ進出圏内と見込まれています。昨年(2024年)もシーズン終盤まで両チームが激しく首位を競り合い、最終的にヤンキースが地区優勝(オリオールズはワイルドカード)となりました。今年も同じような展開が予想され、アーロン・ジャッジとガンナー・ヘンダーソンという両軍の若き主砲がMVP級の活躍を見せるかが鍵になりそうです。
他の東地区チームにも侮れない存在が揃います。レッドソックスは吉田正尚選手を中心に打線が強力で、パワーランキングでも全体8位と評価されており侮れません。ブルージェイズやレイズも近年常にプレーオフ争いに絡んできた実力派です。特にレイズは若手投手陣の層が厚く、ブルージェイズはブラディミール・ゲレーロJr.やボー・ビシェットら伸び盛りのスターを抱えています。ただ東地区は上位2強が抜けているため、現時点の予想では優勝本命はやはりヤンキース。ジョンソン監督(※架空)率いる名門が伝統の強さを見せるのか、それとも昨年台頭したオリオールズが若き力で覆すのか、目が離せないエリアです。
1位 ツインズ(86勝76敗)
👉 コレア、ブクストン中心にバランスの取れたチーム。地区内では頭一つ抜けた存在。
2位 ロイヤルズ(81勝81敗)
👉 パスカンティーノやボビー・ウィットJr.がブレイク。期待の成長株。
3位 ガーディアンズ(80勝82敗)
👉 投手力はあるが、打線に爆発力を欠く。接戦をどうモノにできるかが鍵。
4位 タイガース(80勝82敗)
👉 若手主体で底力はついてきているが、上位進出にはあと一歩。
5位 ホワイトソックス(62勝100敗)
👉 崩壊した戦力と再建中のチーム状況。耐えるシーズンになりそう。
昨季のア・リーグ中地区は驚きの展開でした。ガーディアンズが地区優勝を果たし、ロイヤルズとタイガースもワイルドカードでプレーオフに進出するという大混戦。しかし今年は少し様相が異なりそうです。PECOTA予測ではミネソタ・ツインズが86勝で地区優勝を奪還し、昨季プレーオフに進んだガーディアンズ、ロイヤルズ、タイガースの3チームはいずれも勝率5割前後(81〜80勝程度)にとどまると予想されています。つまり中地区からのポストシーズン進出はツインズ1強という見立てです。
とはいえ他チームにもチャンスは残されています。クリーブランド・ガーディアンズは昨年若手主体で快進撃を見せた勢いがありますし、カンザスシティ・ロイヤルズも主砲ボビー・ウィットJr.を筆頭に若手が台頭しています。デトロイト・タイガースは前田健太投手を補強し(※FAで2年契約)投手力を強化、再建途上ながら昨季は意地を見せました。おそらく地区優勝ラインは85勝前後と予想され、どのチームにもチャンスがある混戦でしょう。しかし本命はやはりツインズ。昨季は9月に失速して逃した悔しさもあり、かつてのエースであるヨハン・サンタナ氏の背番号を受け継ぐ新人投手(※架空)の加入など話題も十分です。接戦を制して2年ぶりの地区優勝となるか注目です。
1位 レンジャーズ(89勝73敗)
👉 昨年の世界一チーム。主力が健在で攻守に厚みがある。
2位 アストロズ(87勝75敗)
👉 アルトゥーベ、ブレグマンら経験豊富な戦力。常勝軍団の底力は健在。
3位 マリナーズ(86勝76敗)
👉 フリオ・ロドリゲスを中心とした若手が魅力。投手陣も粒ぞろい。
4位 エンゼルス(76勝86敗)
👉 大谷が去った後の再建期。トラウトの健康状態がカギを握る。
5位 アスレチックス(70勝92敗)
👉 若手起用が進むが、戦力はまだ整っていない。厳しい戦いが続きそう。
西地区では2023年のワールドシリーズ王者テキサス・レンジャーズが再び脚光を浴びそうです。レンジャーズは2024年こそ失速しプレーオフを逃しましたが、今年は89勝で地区優勝との予測が出ています。同じ予測ではヒューストン・アストロズが87勝、シアトル・マリナーズが86勝と僅差で続き、なんと西地区から3チームがプレーオフに進出するとまで見られています。つまりレンジャーズが地区優勝、アストロズとマリナーズもワイルドカードで postseason 進出というシナリオです。
レンジャーズ復活のカギは豊富な戦力にあります。昨年78勝→今年89勝と**+11勝もの大躍進が予測されていますが、それもコーリー・シーガーやマーカス・セミエン、アドリス・ガルシアら実績十分のスター選手**に加え、ワイアット・ラングフォードやエバン・カーターといった有望株の台頭が期待されるからこそです。さらに先発にはエースのネイサン・イオバルディに加え、故障からの復帰を目指すジェイコブ・デグロムも控えています。もしガルシアが2023年並みの復調を見せ、デグロムが健康を取り戻せば、レンジャーズは再びリーグ優勝争いに絡む強豪となるでしょう。
一方、常勝軍団のヒューストン・アストロズもまだまだ健在です。主砲だったカイル・タッカーを失った穴は大きいものの(※タッカーはカブスへ移籍)、ホセ・アルトゥーベやヨルダン・アルバレスら強力打線は健在。投手陣もフランバー・バルデスやクリスチャン・ハビエルら先発が安定しており、地区連覇の可能性も十分あります。そして忘れてはいけないのがシアトル・マリナーズです。若きスター外野手フリオ・ロドリゲスを中心に躍進を狙っており、粘り強い戦いで上位2強に食い込むシナリオも考えられます。残念ながらロサンゼルス・エンゼルスとオークランド・アスレチックスは戦力面で見劣りし、下位予想となっています。特にエンゼルスは大谷が抜け、エース格として菊池雄星投手(前ブルージェイズ)を迎えましたが評価は低く、地区最下位候補です。マイク・トラウトの去就やチーム再建の行方も含め、ファンとしては複雑なシーズンとなりそうです。
1位 ブレーブス(92勝70敗)
👉 アクーニャJr.を中心とした強打線と安定した投手陣で地区最強。
2位 メッツ(89勝73敗)
👉 オフの補強で戦力アップ。再び優勝争いに食い込む体制。
3位 フィリーズ(88勝74敗)
👉 ハーパーとターナーのスター力は抜群。打線爆発力は健在。
4位 ナショナルズ(74勝88敗)
👉 再建中だが、若手の台頭に光明。まだ上位には及ばない。
5位 マーリンズ(62勝100敗)
👉 投手陣には光が見えるが、打線の弱さと戦力層の薄さが課題。
ナ・リーグ東地区はメッツ、フィリーズ、ブレーブスの三つ巴。近年屈指の激戦区ですが、今年もこの3強の争いになりそうです。昨年はフィリーズが地区優勝を果たし、ブレーブスとメッツも揃ってポストシーズンに駒を進めました。今年はさらに戦力を上積みしたメッツがどこまで食い込むかが注目ポイントです。上述のようにメッツは目玉選手のフアン・ソトを補強し打線の迫力が増しました。加えてエース級の投手補強も噂されましたが(※実現せず)、既存戦力に千賀滉大投手やフランシスコ・リンドーア、ピート・アロンソらが健在。新指揮官(※架空)の下で「銀河系軍団」と化したメッツが悲願の地区制覇を狙います。
しかし予想モデルは意外にもアトランタ・ブレーブスが再び東地区を制すると見ています。PECOTAの予測ではブレーブスが92勝で地区優勝、メッツ89勝・フィリーズ88勝で続く展開となりました。僅差とはいえブレーブスが頭一つ抜ける形で、3チーム全てが揃ってプレーオフに進出する可能性も高いです。ブレーブスは昨季やや陰りが見えたものの、主砲ロナルド・アクーニャJr.や剛腕スペンサー・ストライダーが故障から復帰することで本来の強さを取り戻すでしょう。攻守のバランスが良い総合力の高さは健在で、「予測上は」僅かながらメッツやフィリーズを上回る評価となりました。
フィリーズも負けてはいません。Bryceハーパー、トレイ・ターナー、JTリアルミュートとスターが揃う打線に加え、エースのアーロン・ノラは長期契約で残留(※2024年オフ再契約)。ザック・ウィーラーとの二本柱で投手陣も盤石です。昨季ワールドシリーズ進出こそ逃しましたが、強烈な勝負強さは相変わらずで、再び秋の深いラウンドまで勝ち上がってきても驚けません。逆にマイアミ・マーリンズとワシントン・ナショナルズの2球団は再建途上で、現状は上位3強に食い込む戦力は整っていない印象です。ただマーリンズは昨年新人王に輝いたエイリー・ペレス投手ら若い才能が豊富で、ナショナルズも期待の若手が台頭し始めています。数年後には東地区の勢力図がまた塗り替わる可能性も秘めていますね。
1位 カブス(91勝71敗)
👉 オフの補強が効果的。攻守ともにバランスが良く、地区制覇に期待。
2位 ブリュワーズ(80勝82敗)
👉 バーニーズらの投手力はあるが、打線が物足りない。
3位 カージナルス(78勝84敗)
👉 ゴールドシュミット&アレナド中心の打線は魅力も、投手陣が不安定。
4位 パイレーツ(75勝87敗)
👉 成長中のチーム。数年後には台風の目になるかも。
5位 レッズ(74勝88敗)
👉 若手の成長は見えるが、まだ勝ちきる力は不足。
ここ数年ブルワーズが君臨してきたナ・リーグ中地区ですが、2025年はシカゴ・カブス躍進の予感です。昨年はミルウォーキー・ブルワーズが92勝で地区優勝し、カブスは82勝で10ゲーム差をつけられました。しかし今季は状況が一変しそうです。PECOTA予測ではカブスが91勝を挙げて2017年以来の地区優勝を果たす見込みで、この勝率はMLB全30球団中でもドジャース、ブレーブスに次ぐ3位の高さと評価されています。ワールドシリーズ制覇確率も8%と、ドジャース、ヤンキース、ブレーブスに次ぐ第4位に位置付けられており、中地区のダークホースから一躍リーグ有数の強豪候補へと躍り出た形です。
カブス快進撃の原動力となりそうなのが、新戦力の存在です。オフに強打者カイル・タッカーを電撃トレードで獲得し、攻撃力が大幅アップしました。さらにDeNAからポスティング移籍した今永昇太投手が加わり先発ローテーションも強化(※今永投手は4年契約で加入)。もともと主砲の鈴木誠也選手やダンズビー・スワンソン遊撃手ら中心選手が在籍していたチームに、若手有望株とベテランがうまく融合した非常にバランスの良い陣容が整っています。昨季低迷したセントルイス・カージナルスや再建中のピッツバーグ・パイレーツ、シンシナティ・レッズを一気に突き放し、久々に“カブスの時代”が来る可能性も十分でしょう。
もちろんブルワーズも簡単には王座を明け渡さないはずです。エースだったコービン・バーンズ投手を放出した穴は痛いものの(※後述のDバックスへ移籍)、台頭中のウィリー・アダメスやガレット・ミッチェルら伸び盛りの選手もいます。カージナルスも伝統的に底力がありますし、レッズもエリ・デラクルーズ選手をはじめとした若手野手が魅力的です。それでも現時点の下馬評ではカブスが頭一つリード。パワーランキングでもカブスは全体12位と、この地区ではトップ評価でした。シカゴの北側から久々に歓喜の雄叫びが上がるか、期待が高まります。
1位 ドジャース(104勝58敗)
👉 大谷翔平、ベッツ、フリーマン、山本由伸など豪華布陣。圧倒的な戦力。
2位 ダイヤモンドバックス(87勝75敗)
👉 昨年の躍進チーム。スピードと投手力を武器に今季も上位狙い。
3位 パドレス(82勝80敗)
👉 スター選手は多いが、チームとしての安定感に欠ける印象。
4位 ジャイアンツ(78勝84敗)
👉 再建と補強のバランスが課題。投手陣次第で浮上の余地あり。
5位 ロッキーズ(56勝106敗)
👉 投打ともに再建途上。若手に経験を積ませる年。
そして最後にナ・リーグ西地区です。ここは何と言ってもロサンゼルス・ドジャースの独壇場と見る向きが多いでしょう。昨年も大方の予想通り地区優勝を飾り、そのままワールドシリーズまで制したドジャースですが、戦力は今年さらに充実しています。PECOTA予測では104勝をマークする圧倒的強さで、2位予想のブレーブス(92勝)に12ゲーム差をつけるとも言われています。プレーオフ進出確率は99.2%と“ほぼ確実”で、ワールドシリーズ連覇確率も22%と群を抜いてトップ。まさに他を寄せ付けない評価を受けています。
それもそのはず、今のドジャースは投打にスーパースター揃いの超強力軍団です。先述の大谷翔平選手にムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンというMVP級トリオが中軸を固め、投手では昨年サイ・ヤング賞のブレイク・スネル、新加入の山本由伸投手、さらにはタイラー・グラスナウや佐々木朗希投手まで控えるという豪華さ。まるでオールスターチームのような陣容で、「しばらくMLBの頂点に君臨する可能性がある」と評されるのも納得です。ドジャースは21世紀ではまだ誰も成し遂げていないワールドシリーズ連覇に向けて盤石の態勢と言えます。
そんなドジャースに挑むとすれば、まずは昨季ポストシーズンで対決したサンディエゴ・パドレスでしょう。パドレスはフェルナンド・タティスJr.、マニー・マチャド、ザンダー・ボガーツら豪華打線に加え、ルイス・アラエス二塁手や期待の新星ジャクソン・メリル遊撃手も控える層の厚さです。先発もエース級のディラン・シース投手(※ホワイトソックスからトレード加入)や台頭中のマイケル・キング投手、ベテランのダルビッシュ有投手らを揃え、名前だけ見ればドジャースに匹敵するスター軍団です。しかしながら予測ではパドレスは82勝程度でプレーオフ進出を逃すとも言われています。昨年の地区シリーズではドジャースをあと一歩まで追い詰めましたが、肝心の2025年は戦い抜く計算が厳しいという評価のようです。
一方で伏兵になりそうなのがアリゾナ・ダイヤモンドバックス(Dバックス)です。2023年にはリーグ優勝(ナ・リーグ制覇)を成し遂げた実力は侮れません。昨季はプレーオフを逃しましたが、今年は87勝でワイルドカードを獲得しポストシーズン復帰を果たすとの予測が出ています。Dバックスは昨季途中でミルウォーキーからエース右腕コービン・バーンズを獲得し、エース左腕ザック・ギャレンとのダブルエース体制が整いました。打線も主軸のケテル・マルテに加え、2023年新人王の俊足コービン・キャロルが健在で、彼が再びブレイクすれば非常に手強いチームとなるでしょう。ドジャースとしても同地区ライバルの動向は要注意です。
残るサンフランシスコ・ジャイアンツとコロラド・ロッキーズは戦力的にやや苦しい立場です。ジャイアンツは大型補強こそなかったものの堅実な野球で知られ、若手投手カイル・ハリソン(※架空の昇格選手)の台頭など明るい材料もあります。ロッキーズは育成の年で、プロスペクトたちの経験積みに重点を置くシーズンになるかもしれません。とはいえ、野球はやってみるまで分からない部分も多いスポーツです。西地区ではドジャースが大本命ではありますが、パドレスやDバックスが勢いに乗れば波乱も起こり得ます。シーズンを通してどのチームが勢いに乗るのか、最後まで目が離せない展開になりそうですね。