日枝久氏の経歴：時系列

1937年（昭和12年）：

• 12月31日、東京都に生まれる。

1956年（昭和31年）3月 ：

• 東京都立杉並高等学校を卒業

1961年（昭和36年）：

• 早稲田大学教育学部を卒業。
• 株式会社フジテレビジョン（現・株式会社フジ・メディア・ホールディングス）に入社。

1960年代：

• 労働組合の結成に尽力し、書記長として女性社員の待遇改善などに取り組む。

1980年（昭和55年）：

• 5月、編成局長に就任。

1983年（昭和58年）：

• 6月、取締役編成局長に昇進。

1986年（昭和61年）：

• 6月、常務取締役総合開発室担当に就任。

1988年（昭和63年）：

• 6月、代表取締役社長に就任。

1992年（平成4年）：

• 7月、フジサンケイグループのガバナンスを正常化し、グループの体制を強化。

1997年（平成9年）：

• 8月8日、フジテレビを東証一部に上場させ、パブリック・カンパニー化を実現。

2001年（平成13年）：

• 6月、代表取締役会長兼CEOに就任。

2003年（平成15年）：

• 4月、社団法人日本民間放送連盟の会長に就任。

2008年（平成20年）：

• 10月1日、株式会社フジ・メディア・ホールディングスの代表取締役会長兼CEOに就任。

2017年（平成29年）：

• 6月、代表取締役会長兼CEOを退任し、取締役相談役に就任。

2025年（令和7年）：

• 1月、フジテレビの不適切接待疑惑問題に関連し、記者会見に出席しなかったことが批判を受ける。

日枝氏は、フジテレビの発展に大きく貢献した一方、長期政権による組織の硬直化やガバナンス体制の問題が指摘されることもありました。

日枝久氏の経営陣への登り詰めとフジテレビの黄金期

日枝久氏は、入社当初からその能力を認められ、着実にキャリアを積んでいきました。報道部での経験、バラエティ番組制作での成功、そして労働組合活動など、多岐にわたる分野で活躍し、社内での信頼を厚くしていました。

1980年代に入ると、日枝氏は経営陣の中核を担うようになり、1990年代にはフジテレビの社長に就任します。日枝氏の社長就任は、フジテレビにとって新たな章の始まりを告げるものでした。

日枝体制下のフジテレビの特色

• 視聴者重視の姿勢: 日枝氏は常に視聴者の視点に立ち、視聴者が本当に求めているものを提供することに注力しました。視聴率に一喜一憂するのではなく、長期的な視点で番組作りを行うことを重視し、結果として多くのヒット番組を生み出しました。
• 多様なジャンルの番組制作: バラエティ番組だけでなく、ドラマ、報道番組、スポーツ中継など、幅広いジャンルの番組を制作し、視聴者のニーズに応えました。特に、ドラマ制作には力を入れており、社会派ドラマや恋愛ドラマなど、質の高い作品を数多く世に送り出しました。
• 若手人材の育成: 日枝氏は、若手社員の育成にも力を入れていました。彼自身も若いうちから重要なポストを任されていた経験から、若手社員の能力を最大限に引き出すための環境づくりに尽力しました。
• 海外展開の強化: 日本国内だけでなく、海外展開にも積極的に取り組み、アジアを中心にフジテレビのブランドを世界に広めました。

フジテレビの黄金期を支えたヒット番組

日枝体制下のフジテレビは、数々のヒット番組を生み出し、視聴率三冠王を何度も獲得しました。

• バラエティ: 『笑っていいとも!』、『とんねるずのみなさんのおかげです』、『めちゃ×2イケてるッ!』など、国民的な人気を博したバラエティ番組が多数誕生しました。これらの番組は、視聴者に笑いと感動を与え、長年にわたって愛され続けています。
• ドラマ: 『北の国から』、『白い巨塔』、『踊る大捜査線』など、社会現象を巻き起こしたドラマが数多く制作されました。これらのドラマは、高い視聴率を獲得するだけでなく、社会問題に対する人々の意識を高めるなど、大きな影響力を持っていました。
• スポーツ: プロ野球中継やF1中継など、スポーツ中継にも力を入れることで、男性視聴者層の獲得にも成功しました。特に、F1中継は、フジテレビのスポーツ中継の象徴的な存在となりました。

日枝氏のリーダーシップ

日枝氏のリーダーシップは、フジテレビの成功に大きく貢献しました。彼は、

• ビジョンを示す力: 常に未来を見据え、フジテレビの進むべき方向性を明確に示しました。
• 決断力: 迅速かつ果断な決断を下すことで、変化の激しいテレビ業界において常に先手を打つことができました。
• 人材育成の能力: 若手社員の才能を引き出し、組織全体の活性化を図りました。
• 危機管理能力: ライブドアとの闘争など、数々の危機を乗り越えてきました。

日枝氏のリーダーシップは、多くの経営者に大きな影響を与え、日本のビジネス界全体にその名を轟かせました。

日枝久氏の経営哲学

日枝久氏は、フジテレビを日本を代表するメディア企業へと成長させたカリスマ経営者です。彼の経営哲学は、同社の成功に大きく貢献し、多くの経営者に影響を与えました。

日枝氏の経営哲学を特徴づけるキーワードは、以下の通りです。

• 視聴者第一主義: 常に視聴者の視点に立ち、視聴者が本当に求めているものを提供することに注力しました。視聴率に一喜一憂するのではなく、長期的な視点で番組作りを行うことを重視し、結果として多くのヒット番組を生み出しました。
• 多様性と革新: バラエティ番組だけでなく、ドラマ、報道番組、スポーツ中継など、幅広いジャンルの番組を制作し、視聴者のニーズに応えました。また、新しい技術やフォーマットを取り入れることにも積極的で、常に時代の変化に対応できる企業体を目指しました。
• 人材育成: 若手社員の育成にも力を入れていました。彼自身も若いうちから重要なポストを任されていた経験から、若手社員の能力を最大限に引き出すための環境づくりに尽力しました。
• 危機感とスピード感: テレビ業界は常に変化が激しい業界であり、日枝氏は常に危機感を持ち、変化に対応するためのスピード感を重視しました。
• グローバルな視点: 日本国内だけでなく、海外展開にも積極的に取り組み、フジテレビのブランドを世界に広めました。