中国の春節(旧正月)は、一年で最も大規模な移動が発生する期間です。
2024年の春節では、90億人の移動が予測されています。しかし、中国の人口は約14億人。
「なぜ春節の移動人数が人口を大きく上回るのか?」と疑問に思う人も多いでしょう。
この記事では、その理由をわかりやすく解説します。
春節期間中の大移動は「春運(チュンユン、春節輸送)」と呼ばれ、中国では毎年40日間にわたって発生します。
この期間、多くの人が故郷に帰省し、国内外への旅行を楽しみます。
報道などで「春節の移動人数が90億人」と聞くと、「中国の人口の約6倍も移動するの?」と驚くかもしれません。しかし、これは「延べ人数(のべにんずう)」の計算です。
同じ人が何度も移動すれば、その回数分がカウントされます。例えば:
つまり、春節期間中に1人あたり何度も移動すれば、総移動回数は人口よりもはるかに多くなります。
春節前後の大移動期間は「春運(チュンユン)」と呼ばれ、約40日間(春節の15日前~25日後)にわたって続きます。
春節(旧正月)は1日だけですが、祝日や休暇の期間は国や地域によって異なります。
中国では、春節(旧正月)の祝日は通常7日間とされています。しかし、実際の休暇期間や影響はもっと長く続きます。
春節の移動回数が膨大になる理由は、以下のような要因が関係しています。
中国の都市部で働く多くの人が、春節を迎えるために地方の実家へ帰ります。
特に、沿岸部の大都市(北京、上海、広州など)から地方へ向かう人が多く、国内最大の民族大移動と呼ばれるほどです。
近年、中国では春節休暇を使って旅行する人が増えています。
春節は親族との交流の場でもあります。
このような短距離の移動も、カウントに含まれるため、総移動回数が増えます。
春節商戦による商品の輸送や、ビジネス関連の出張も増加します。
EC市場の拡大とともに、物流の移動回数も春運のデータに加算されるため、移動回数が増える要因の一つになっています。
実際に、春節の移動回数はどのように推移してきたのでしょうか?
年 | 春運期間の移動回数 |
---|---|
2019年(コロナ前) | 約30億回 |
2020〜2022年(コロナ影響) | 大幅減少 |
2024年 | 約90億回(過去最大) |
コロナ禍で一時的に移動が制限されましたが、2023年以降は回復し、2024年の春節の移動人数は過去最高の90億が見込まれています。
これは、3年分の移動需要が一気に爆発したことも大きな要因です。
「春節の移動が90億人」と聞くと人口よりも遥かに多い数のためなぜ?と疑問に思われがちですが、実際には**「移動回数が90億回」**ということです。また春節の期間としてカウントされる日数は約40日もの長期間に及びます。
一人あたり複数回移動するため、人口よりもはるかに多い数値になります。
移動は数週間にわたって続くため、「春節期間の移動人数」と言うと春運40日間の延べ移動回数を指すのが一般的です。
✅ 「春節の移動人数」=「春運の40日間の延べ移動回数」
✅ 2024年は90億回の移動予測(中国の実際の人口よりはるかに多い)
✅ 帰省・旅行・物流が集中するため、40日間にわたる大移動が発生
もしニュースなどで「中国・春節の移動90億人」といった表現を見たら、「40日間の延べ移動回数を指している」と理解すると正確です。