近年、大学や短大の卒業式で袴をはう女子学生が多いですね。 では、なぜ女学生は卒業式で袴をはくのでしょうか?
実は、現在の卒業式で袴を着るブームのきっかけは、1980年代に再放送されたアニメ『ハイカラさんが通る』にあります。大正時代の女学生ファッションが再評価され、そこから全国的に広まったのです。しかし、なぜ袴が女学生の象徴となったのでしょうか? その歴史と背景について解説します。
明治時代後期から大正時代にかけて、日本では女子教育が発展し、女子学生の制服として袴が採用されるようになりました。
こうして「女学生といえば袴」というイメージが確立されました。
袴は矢絣(やがすり)模様の着物と組み合わせることで、知的で品のある女性の象徴となりました。
特に大正時代には、女学生の定番スタイルとして定着し、多くの学校で袴が制服として採用されていました。
昭和以降、女子学生の制服はセーラー服やブレザーといった洋装へと変わり、袴は次第に日常生活から姿を消しました。そのため、卒業式に袴を着る習慣もほとんど見られなくなっていきました。
一度消えかけた「卒業式の袴」文化が復活するきっかけとなったのが、**1980年代に再放送されたアニメ『ハイカラさんが通る』**でした。
こうして、袴は「卒業式の伝統衣装」として再び脚光を浴びるようになりました。
現在では、大学や短大だけでなく、一部の高校や専門学校の卒業式でも袴が着用されるようになっています。これは単なる流行ではなく、「学問を修めた証」としての意味が込められています。
アニメ『ハイカラさんが通る』によるブームが起こる前、例えば1970年代の女子学生の卒業式の服装は、現在とはかなり異なっていました。
1970年代は、現在のような袴スタイルはほとんど見られず、一般的には以下のような服装が主流でした。
✅ 明治・大正時代の女学生の制服として定着 ✅ 知的で上品な「学問を修めた女性」の象徴 ✅ 昭和以降は一時消滅するが、1980年代のアニメの影響で復活 ✅ 現在では卒業式の伝統衣装として定着
袴を着ることは、単なるファッションではなく、日本の女子教育の歴史を反映した文化なのです。卒業式で袴を選ぶ際には、その背景を思い出しながら、誇りを持って着こなしてみてはいかがでしょうか?