カタカナの「ウ」に濁点をつけた「ヴ」。日常でも「ヴァイオリン」や「ヴィクトリア」などの 外国語由来の言葉で目にすることがありますよね。でも、五十音表にはそんな文字、もともと存在しなかったはず…?
今回は、「ヴ」という文字がいつ、なぜ使われるようになったのかについて、ちょっとディープに掘り下げてみましょう!🔍
日本語の五十音には、「ヴ」という音は本来存在しません。「ア行」「カ行」などに「ヴ行」なんてありませんよね。
しかし、明治以降、日本が西洋文化を急速に取り入れるようになってから、ある問題が浮上しました。それは──
英語やフランス語などの「v」の音を、日本語でどうやって表記するか?
例えば、
これらの言葉を「バイオリン」「ビクトリア」「バニラ」と表記すると、[v]音が[b]音になってしまうという問題があるのです。
実は、「ウ」にてんてんをつけるという発想を初めて用いた人物が記録に残っています。
その人物とは──
福澤諭吉!
あの一万円札の顔で知られる福澤諭吉は、1860年に出版した英語の学習書『増訂華英通語』の中で、[v]音を表すために「ウ」に濁点をつけた「ヴ」という表記を使いました。これが、日本で最初に「ヴ」が使われた記録だとされています。
西洋文化を積極的に紹介しようとした彼の工夫が、現代まで続く表記法の原点になったのです。すごいですよね✨
実は「ヴ」は、すぐに一般的になったわけではありません。タイプライターや活版印刷の時代には、「ヴ」が入力・印刷できなかったため、「バ」「ビ」「ブ」「ベ」「ボ」で代用されることが多く、現在でも「ビール(beer)」のように[b]音で表記されている外来語もたくさんあります。
また、小学校などの国語教育では、今でも「ヴ」は正式な音として扱わないことも多いです。
最近では、パソコンやスマホで簡単に「ヴァ」「ヴィ」「ヴェ」「ヴォ」と入力できるようになり、より正確な表記を目指す動きが広がっています。
たとえば:
など、特に音楽やファッション、学術用語では「ヴ」が多く使われていますね🎧👗📚
「ヴ」は日本語の進化の証でもあります。これからも外来語が増えていく中で、こうした表記がどう変化していくのか、ちょっと注目してみるのも面白いかもしれません📘✨