2025年1月、ロサンゼルスで発生した山火事がニュースになっています。毎年のように発生するアメリカ西部の大規模な山火事に対し、「なぜ消えないのか?」と疑問に思う人も多いでしょう。実際、消防隊は必死に消火活動を行っていますが、それでも山火事は簡単には収まりません。本記事では、山火事がなぜ消えないのか、その原因を詳しく解説します。
ロサンゼルスを含むカリフォルニア州は、冬でも雨が少なく乾燥しています。この乾燥した気候が、木々や草を燃えやすい状態にし、火の広がりを助長します。
ロサンゼルス周辺では、秋から冬にかけて「サンタアナ風」と呼ばれる乾燥した強風が吹きます。この風が火の粉を遠くまで運び、新たな火災の発生を引き起こします。さらに、風が強いと消火活動が難しくなり、炎が急速に拡大します。
山火事の主な燃料は、森林や草原にある木々や枯れ葉です。特に、乾燥した樹木や落ち葉は火がつきやすく、一度燃え始めると次々と火が広がっていきます。
カリフォルニアの山には、油分を多く含むユーカリやセージブラッシュ(ヤナギハッカ)などの植物が多く生えています。これらは燃えやすく、まるで「天然のガソリン」のように炎を激しくさせます。
山火事が発生する地域は、多くが山岳地帯です。山の斜面では、火が上方へと急速に広がるため、消火が困難になります。また、谷間では煙が充満しやすく、ヘリコプターによる空中消火が難しくなることもあります。
山火事は一度発生すると広範囲に広がります。住宅地や道路から離れた場所で発生すると、消防隊が現場に到達するだけでも時間がかかります。
都市部の火事なら消火栓が使えますが、山火事では水の供給が難しいため、消火活動に制約が生じます。ヘリコプターや飛行機を使った空中消火も行われますが、強風や視界不良の影響で効果的にできない場合があります。
山火事は、場合によっては「完全に消す」のではなく、「燃え尽きるのを待つ」という戦略がとられることもあります。無理に消火を試みると、かえって火の方向が変わり、被害が拡大する可能性があるためです。
山火事の原因の多くは、人間の活動によるものです。キャンプファイヤーの消し忘れ、タバコのポイ捨て、車両のエンジンからの火花などが、乾燥した草木に引火して山火事につながります。さらに、一部では放火が原因となることもあります。
カリフォルニアでは、送電線が火花を散らし、それが枯れ草に引火して山火事を引き起こすこともあります。過去には、電力会社の設備の管理不足が原因で大規模な火災が発生し、訴訟問題に発展した例もあります。
ロサンゼルスの山火事が簡単に消えない理由には、乾燥・強風・燃えやすい植物・地形・消火の難しさ・人為的要因など、さまざまな要素が絡み合っています。消防隊は懸命に対応していますが、自然条件が厳しいため、火を完全に抑え込むのは容易ではありません。
山火事を防ぐには、火を出さないことが最も重要です。特に、キャンプやバーベキュー時の火の取り扱いには十分注意し、小さな不注意が大きな災害につながることを認識しておく必要があります。
今後もロサンゼルスをはじめ、世界各地で山火事が発生する可能性があります。私たち一人ひとりが防災意識を持ち、被害を最小限に抑える努力をしていくことが大切です。